千葉県浦安市の東京ベイ東急ホテルに、2022年4月28日よりJALとコラボした「ウイングルーム」が期間限定で登場。室内には、ボーイング777の内装パネルや座席、サービスカートが設置され、まるで飛行機に乗っているよう。メディア向けの内覧会に参加してきました。

 JR京葉線の新浦安駅からアクセスする東京ベイ東急ホテルは、海辺に立つアーバンリゾートホテル。ここにJAL(日本航空)とコラボしたコンセプトルーム「ウイングルーム」が、2022年4月28日~2023年4月25日の期間限定・1室限定で登場しました。

「ウイングルーム」告知ポスター

 注目の「ウイングルーム」は、10階にあるスーペリアラージコーナーツインの1008号室。広さ43平方メートルで、1室2名で1万3200円~、1室1名のシングルユースで6600円~(税・サービス料込み)となっています。

「ウイングルーム」は10階1008号室

 東京湾を見渡せ、南風の場合は羽田空港に着陸する飛行機も見える「ウイングルーム」。室内の窓辺には、ボーイング777から取り外された国内線普通席と、内装パネルが設置されています。

「ウイングルーム」全景

 JALグループとコラボし、航空機部品を取り扱うJALエンジニアリングから「ウイングルーム」のアイデアスケッチがホテル側に提出されたのは2021年9月のこと。

「ウイングルーム」アイデアスケッチ

 そこから約7か月の期間を費やし、ホテルの客室にボーイング777の内装パネルや座席が運び込まれました。内装パネルは飛行機の胴体断面に合わせてカーブしているので、垂直の壁に合わせて設置するにはちょっとした苦労があったそうです。

内装パネルの仮組み
客室への運び込み

 なぜ国内線の普通席?と思ったのですが、このタイミングで交換され、廃棄部品が出たのが偶然国内線仕様のボーイング777だったとのこと。3連の座席には、ファーストクラス座席用の側生地を使った手作りの雲形クッションが。

内装パネルとシート、サービスカート
ファーストクラスシート用側生地を使ったクッション

 よく見ると、3つのクッションは微妙に大きさや形が違います。

クッションは3つとも微妙に違う

 内装パネルの窓部分には、飛行機の窓から見える風景がはめ込まれています。座っていると、まるで飛行機で旅行しているよう。

機内からの風景写真がはめ込まれる

 もちろん、座席下のカーペットも実際にJAL機に使われているもの。飛行機の形にカットされたものもあり、目を楽しませてくれます。

飛行機型のカーペット

 座席の横には、実際にJAL機で使われていたカートが。よくみると機内が傾いても勝手に転がらないよう、ブレーキが付いていることも分かります。

カートはJAL機で使われていたもの

 窓辺には、ジェットエンジンのタービンブレードを使ったオブジェもあります。ルームナンバーも刻印されており、同じものは2つとない貴重品です。

タービンブレードのオブジェ

 ブレード後縁に並ぶ小さい穴がタービンブレードの証。高温になるジェット排気で金属が溶融しないよう、冷却用の穴が中空成形で作られているのです。JALの方にうかがったところ、これはエンジン最後部付近に位置する低圧タービンのものなんだとか。

冷却用の穴が開いている

 海に面したバルコニーから下を見てみると、岸壁に滑走路のような表記が見えます。実はこれ、2015年~2018年に千葉市で開催されたレッドブル・エアレース用の臨時滑走路。今は使われていませんが、飛行機に関係する施設跡も楽しめます。

レッドブル・エアレース用滑走路も見える

 宿泊記念品もJALとコラボした品が用意されています。まずは搭乗券をイメージした宿泊記念カード。ちゃんと宿泊日と宿泊者の名前が印字されるそうで、これも1つだけの貴重な品になりそうです。

宿泊記念カード

 また、JAL国際線ビジネスクラス用のアメニティキットもプレゼント(1泊につき1つ)。日本出発便で提供される「メゾン キツネ」のものが用意されています。

JAl国際線ビジネスクラス用アメニティキットもプレゼント

 ホテルの担当者によると、この「ウイングルーム」は発表以来好評で5月分はすべて予約が埋まり、現在はいったん受付をストップするほどの人気なんだとか。まだまだ飛行機の旅をしにくい状況ですが、予約が再開されたら、ホテルステイで空の旅気分を味わうのも選択肢に入りそうです。

取材協力:東京ベイ東急ホテル

(取材・撮影:咲村珠樹)