私たちにとって、最も身近な野鳥ともいえるすずめ。とはいえ、その姿をまじまじと見ることは少ないかもしれません。

 もしも手の指にでもとまってくれたら、細かいところまで観察できるのに……。そんな夢に近づける作品を、羊毛フェルト作家のモリタさんが手掛けています。

 モリタさんが作ったのは、まるで生きているかのような“手乗りすずめ”。モリタさんは様々な動物をモチーフにした作品を作っていますが、中でも鳥がお好きで、特にすずめに関してはオーダーの合間や息抜きなどで「隙あらば作っています」というほどお気に入りなんだとか。

 お気に入りのモチーフだけに「作り慣れているからか1日あれば完成します。多分6~8時間ほどだと思います」と、比較的手早く作れてしまうそう。「パッと見は地味に見えるけど、よく見ると模様がきれいなところに魅力を感じます」という言葉通り、前後左右どこから見ても細かなところまで目が行き届いた模様の表現がリアルです。

前後左右から見たすずめ(モリタさん提供)

 フワフワした羊毛のかたまりをニードルで刺していき、形作っていく羊毛フェルト。モリタさんは頭から作り始めるそうで「頭と体のバランスがおかしくならないよう気をつけています」と語ります。脚には針金の芯が入っており、指や木の枝にとまらせることが可能。

脚には針金の芯が入っている(モリタさん提供)

 チャームポイントとして挙げていた表面の模様などは、すでに染色された色違いのフェルトを刺しつけて表現しているのだとか。茶色と黒、白とシンプルな色合いですが、細かく入り組んだ部分もあり、繊細なニードルワークが見て取れます。

 このほかにも、モリタさんはリアルな鳥や動物のマスコット作品をTwitterに公開しています。作品はオーダーのものを除き、BASEの「モリタの店」で販売もしているので、手元にお迎えして楽しむのも良さそうです。

<記事化協力>
モリタさん(@morimomorita)

(咲村珠樹)