主にダンボールを素材にしたものつくり活動をしている段クリエイターさん。

 作品はアニメやゲームなどに登場するメカや武器、日常生活で見かける“モノ”など多種多様。そしてそれらを「等身大スケール」で制作されています。

 先日はアニメ「機動戦士Zガンダム」に登場するMS(モビルスーツ)「Zガンダム」のコックピットを再現。自ら搭乗する様子も含め、自身のSNSでファンアート作品を公開しました。

 「Zガンダムのコックピットつくってみた」というつぶやきとともに紹介された写真には、主人公「カミーユ・ビダン」のごとく、コックピットに座る段クリエイターさんが写っています。

コックピットらしきものに搭乗する投稿者。実はこれはダンボールで自作したもの。

 またがる機体のサイズ感は、ジャストフィットな等身大。何と「1分の1スケール」で制作されているのです。しかもメイン素材はダンボール。「『全天周囲型』を作りたいなあと思った」という思いつきから作られました。

 段クリエイターさんが活動自体をはじめたのは、2021年5月。「コロナ禍の影響で、遊びに行けずに時間が出来て、その時に動画編集をしてみた」のが始まりだったといいます。以来、さまざまな作品をてがけ、実は過去に一度「ガンダムのコックピット」も制作されています。

 2021年11月に完成した「ガンダムのコックピット」は、「初代」ことガンダムが題材。素材は同様にダンボールがメインです。一部パネルや電飾も駆使しつつ、台座やコンソールや各部スイッチといった装飾の凹凸も含めて再現されました。

パネルや電飾も取り付け。

台座部分。

コンソール部分。

前作も等身大スケールで再現。

 ちなみに、Instagramの投稿では、スコープを覗き込む姿も紹介されています。こだわりが凄まじい……。

スコープを合わせる様子も披露。

 YouTubeチャンネルで配信されている動画では、ガンプラによるストップモーションアニメとコミカルな演技も相まって、再生回数が46万回を記録。実は段クリエイターさん、チャンネル登録者数が2022年4月現在で約43万人、総再生回数は8000万に迫るという「ものつくりユーチューバー」の一面も有しています。

 一連の反響も踏まえての制作となった本作ですが、ガンダムとZガンダムのコックピットには、設定上に大きな違いがあります。それが先述した内壁が全てモニターという「全天周囲型シート」という構造面。本作において段クリエイターさんは、「浮いた感じに表現する」という点を特に意識して再現しました。

前作「ガンダムのコックピット」からの続編「Zガンダムのコックピット」。

「全天周囲型」を意識した空間づくりをしています。

 前作ガンダムでは、パネル等も用いた密室感のある「コックピットルーム」を作り上げましたが、Zガンダムではそういった部分を撤廃。敢えてむき出しとすることで、「空間」になるようにしています。

全天周囲型の特徴もあってか、「空間」を意識した本作。

動画ではまるで星の海を眺めるかのような姿が。

 これにより、動画ではまるでプラネタリウムを鑑賞するかのごとく、周囲に煌めく星の海を覗き込む段クリエイターさんが映し出されています。操縦レバーやコンソールのモニターに取り付けられた発射スイッチにより、「ゼータ」は、ビームライフルが照射されたり、ウェイブライダー形態に変形していました。

ポチっとな。

ビームライフルが放たれました。

ポチっとな。

ウェイブライダーに変形!という演出。

 「色々と苦労をしつつの制作でした。ただ、もう一工夫必要だったかもしれません」

 やや反省も込めて作品を振り返る段クリエイターさんですが、制作工程も含めた「Zガンダムのコックピット動画」もまた、40万回近い再生を記録するなど、大きな反響を集めています。

YouTube動画は40万回近い再生回数を記録する反響ぶり。

 「演者・段クリエイター」のコミカルさこそ少々鳴りを潜めていますが、本動画もまた「ダンボールでこんなことが出来るのか!」と驚愕する内容となっています。本稿をお読みになって興味を持った方は、ぜひご覧になってみてください。

<記事化協力>
段クリエイターさん(Twitter:@dancreator_tw/Instagram:@dancreator_insta)

(向山純平)