電子メールが主流となり、なかなか「手紙を書く」という機会が少なくなった昨今。登録されたメールアドレスを選択するだけのメールと違って、手紙では宛名と住所をしっかり書かないと届きません。

 では、住所はどこまで詳しく書くべきか……宇宙という壮大なスケールから住所を詳細に書いた手紙が投函され、見事に配達された検証結果がTwitterに投稿されました。

 宛先の住所を宇宙レベルから記載した手紙がちゃんと配達されるのか、検証してみたのは雪恒さん。添えられた画像は実際に配達された手紙で、宛先を見ると「おとめ座超銀河団……」と、私たちの銀河系が属する銀河団から詳細に記載されていることが確認できます。

 スケールを宇宙規模に大きくしていくと、逆に「地球の住所」が分からなくなってきますが、雪恒さんは「宇宙が舞台のSF映画をよく観るので、その影響で元からある程度は知っていました」と語ります。裏付けのために少々調べはしたものの、あまり詳しくは調べてはいないそうです。

 考えてみれば、この手紙が複数の銀河間をまたいで配達されることはないので、ある程度ぼんやりしていても大丈夫。住所はそこからぐっとズームインしていき、銀河系の中の太陽系、そして地球へと連なっていきます。

 住所のレベルが地球規模になると、実際に郵便で配達できる範囲になってしまうので、誤配達されないよう詳しく記載しなくてはなりません。ユーラシア大陸のアジア州、その東アジアにある日本に間違いなく届くよう、雪恒さんはしっかり記載しています。

 日本国内の郵便であることが分かると、そこからはぐっと楽になります。郵便番号も通用しますし、愛知県の特定の場所へと住所が続きます。これ以上詳しい部分はプライバシー保護のため、黒く塗りつぶされています。

 雪恒さんはこの検証に際し「自宅から100km程度離れた、同じ東海圏内の田舎にあるポストに投函しました」とのこと。3月30日に投函した手紙には翌31日の消印があります。

 手紙が届いたのは4月4日。2021年10月より、日本郵政は普通扱いとする郵便物を原則翌々日以降(従来より1日程度繰り下げ)に配達し、土曜日の配達を終了しているため、以前に比べると日数がかかりましたが、おおむね標準的な期間で配達されたようです。書留やレターパック、ゆうパックであれば、どこを経由したのか追跡サービスで確認できますが、この手紙の配達経路も気になりますね。

 郵便の仕分け、配達は極限まで機械化・自動化されています。特に今回の場合は国内で投函されていること、さらに郵便番号と、県以下の住所がしっかり記されているので届くといえば届く話し。しかしながら、よく考えてみると100円に満たない定型郵便料金で、これだけのサービスを維持していることには頭が下がります。

 ちなみにこの宇宙規模から住所を記す、という方法はかつて小学生の間でプチ流行したことがあります。宇宙好きな少年少女の間で流行っていたわけではなく、単なる好奇心で行われていたように記憶しています。実は筆者も受け取ったことがある一人。見て思わず「え?」と思ったのは言うまでもありません。

※初出時「100km圏内であれば翌日、もしくは翌々日配達」としておりましたが、2021年10月より日本郵政のサービスが変更されたことを考慮していない記述でした。お詫びし、当該部分を現行のサービスに適応させた記述に変更いたしました。(2022年4月12日16時13分更新)

<記事化協力>
雪恒さん(@yukihisa_zty)

(咲村珠樹)