数多くいるポケモンの中には、グッズ化されているメジャーな存在以外にも、グッズにしたら面白そうな姿形をしているものがたくさんいます。ハエとりポケモンのウツボットも、その姿が何かの容器に向いていそう。

 ポケモンファンの木彫作家ぽっぽさんは、ウツボットの爪楊枝入れをファンアートとして制作。頭の葉っぱは可動式で、開いたり閉じたり楽しい動きを見せてくれます。

 ウツボットは、初期から「ポケットモンスター」シリーズに登場しているポケモン。体の中には溶解液が入っており、蜜のような香りで誘われたらパクリと食べられてしまい、溶かされてしまいます。

 木彫のウツボットは、口に爪楊枝をたくさん咥えます。ぽっぽさんによると「本当は爪楊枝ということで、『ミサイルばり』を使うポケモンで作りたかったのですが、ウツボットがピッタリすぎて。目はバスウッドという色の白い木材、ほかはヒノキを使っています」。

材料は主にヒノキを使用(ぽっぽさん提供)

 体は角材をくり抜いていますが、中心部分を使っている関係で固かったとのこと。「木は年輪の中心になるにつれて固くなる」そうで、葉っぱの部分は板材から彫られています。

 スタイリングについて「ウツボットは意外と可愛いポケモンなので、そこを表現するため全体に『丸』を意識しました」と語るぽっぽさん。ぽってりした量感の体や、丸くふっくらした葉の形状に、その考えが表れていますね。

 なめらかな形状は「紙やすりでとにかくヤスりました」。目の粗さが違う4種類の紙やすりを使い、丁寧に表面を仕上げられています。

ぽってりなめらかな形状(ぽっぽさん提供)

 頭の葉っぱを支えるツルと尻尾部分は、針金の芯に麻ひもを巻いたもの。実は、当初の予定では葉っぱを上に載せるだけだったそうですが、作っている最中に可動式へと方針変更したんだとか。

 ヒンジも針金を加工して自作していますが「どのようにしたら動くかを考えている時はワクワクして楽しかったです」の言葉にもあるように、ツルの動きに連動して葉っぱが動く仕組みは、シンプルながら楽しい動き。耐久性も高そうです。

閉じたところ(ぽっぽさん提供)
開いたところ(ぽっぽさん提供)

 ウツボットの特徴的な姿をそのままに、実用性も高い爪楊枝入れ。Twitterに画像が投稿されると、一夜のうちに数万単位の“いいね”が集まりました。「これだけのスピードで反響をいただくことはなかったので、とてもびっくりしています」とぽっぽさんは驚きを口にしています。

 ぽっぽさんのYouTubeチャンネル「ぽっぽの木彫りチャンネル」には、ウツボットの爪楊枝入れができるまでの動画も公開されています。「たくさんの方に作品を見ていただけることが何よりの幸せです」と語るぽっぽさん、オリジナルの作品もまた素敵なので、Twitterで発表される新作が楽しみです。

<記事化協力>
ぽっぽさん(@warkingpoppo)

(咲村珠樹)