構成要素を最小限まで絞り込み、表現するという「ミニマリズム」。引き算の美を極限まで押し進めたものですが、やり過ぎてしまうと何を表現したのか分からなくなるため、さじ加減が重要です。

 ボールペンのボディに入った、ご飯つぶや具材。これで何を想像するでしょうか。入っているのは、チャーハンのミニチュアでした。

 この「チャーハンのボールペン」を作ったのは、フェイクスイーツやフェイクフードの雑貨を製作・販売している小坂てんさん。樹脂粘土を素材に、ご飯つぶやみじん切りにされた具材をひとつずつ作ったのだといいます。

小坂てんさんの「チャーハンのボールペン」(小坂てんさん提供)

 入っている具材は全部で8種類。「それぞれを別々に作っているので、手間がかかりました」と小坂さんは語ってくれました。

 こんな細かいパーツですが、それぞれは彩色されています。油が程よく回ったツヤのあるパラパラ感を出すため、ニスではなくホビーカラーを選んだとのこと。

小坂てんさんのフェイクフードミニチュア(小坂てんさん提供)

 これは小坂さんの作品としてはほんの一部。普段は納豆ご飯や卵かけご飯の指輪など、見ていて楽しいミニチュアのフェイクフードを使ったアクセサリーなども作っています。

納豆ご飯のリング(小坂てんさん提供)
卵かけご飯のリング(小坂てんさん提供)

 まるでチャーハンをボーリング調査し、試料として採取したようなボールペン。使っているうち、食欲が刺激されてしまうかもしれませんね。小坂さんの作品は、minneの「Ten’s magnet」で販売されているとのことです。

<記事化協力>
小坂てんさん(@tensmagnet)

(咲村珠樹)