​いつもTwitterにちょっと驚く木彫りの作品を投稿しているのは、キボリノコンノさん。今回は、木彫りでたい焼きを作ってしまいました。

 「紙袋も同じ木でできています」という作品は、どこからどう見てもたい焼きそのもの。思わず「いただきます!」と、かぶりつきそうになります。

 木彫りのたい焼きを作るきっかけは、「たい焼きのパリパリした生地としっとりした餡子、紙袋の素材感をひとつの木で表現できたら面白いだろうな」と考えたからだそうです。

 制作にあたっては、「シナノキ」という木を使用。彫刻刀や電動のルーターで形を彫り出し、そこにアクリル絵の具とパステルで着色して完成させたそうです。

 ただ木彫りで普通のたい焼きを作るのではなく、「食べている途中という『時間』を彫りたいという思いがあった」と語るキボリノコンノさん。

 どこを持ったら自然に見えるのか?どこをかじったらたい焼きらしさと美味しそうなたい焼きを表現できるのか?などを見極めるのがとても難しかったとのこと。そのため、たい焼きを7個も買って研究したといいます。

 たい焼きのバリ(周囲の部分)や、生地から透けて見える餡子、生地表面の様々な大きさの気泡など、こだわりはいたるところにちりばめられています。

 他にも、「紙袋がたい焼きの湿気で張り付いて見えるように紙袋の形を彫刻した」という点も、キボリノコンノさんはこだわりポイントとしてあげていました。見え方だけでなく形や質感を似せられるよう、本物のたい焼きを手で触って、比べながら制作したそうです。

 本当に隅々まで餡子……いや、こだわりがいっぱい詰まった木彫りのたい焼き。今回の出来映えに、「自分でもひと口かじりたいと思う作品に仕上げることができた」と大満足の様子。

 しかし、「次は、さらに驚いてもらえるような作品を作りたい」と、次回作にも意欲を燃やしていました。


​​
<記事化協力>
キボリノコンノさん(@kibori_no_konno)

(佐藤圭亮)