「ザ・ワールド!!止まれィ!!時よ!!
#ジョジョの奇妙な冒険 #スタンドコス #コスプレ #ザ・ワールド #ガワ造形 #フィギュアではありません」

 Twitter上で、自作のファンアートを紹介したザキオグラフさん。そこには、時が支配できそうなスタンドが出現……きさま!見ているなッ!

 既にお察しの方も多いかもしれませんが、今回ザキオグラフさんが紹介した作品は、「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」に登場する「DIO」こと、ディオ・ブランドーが自身の能力発動時に出現するスタンド「ザ・ワールド」です。

 筋肉隆々の金色ボディに、三角の形状の仮面や手の甲にある時計と、原作を忠実に再現したフォルム。「スタンドのデザインが好きなんですよ」という、根っからのジョジョファンのザキオグラフさんが作りあげたファンアートは、ポルナレフがありのまま起こったことを口走りそうな精巧さとなっています。

 しかしながらこの作品は、つぶやきにもある通りフィギュアではありません。これは「ガワコス」と呼ばれる、着込んでレイヤー活動をするコスプレ造形なんです。

 ザキオグラフさんは、以前よりジョジョに登場するスタンドのコスプレ造形を制作している人物。といっても、それはあくまで趣味の範疇で、”本業”の会社員の傍らで、休日を利用して少しずつ作られています。

 「『漫画の絵で表現されたキャラクターデザインを、現実に置き換えた場合どうなるか?』を考えながら、毎回造形しているんです」

 先述の通り、ザキオグラフさんは「ジョジョの奇妙な冒険シリーズ」のファン。しかしそれは、自身のTwitterプロフィールにて「人生の道標」と記すほどの愛深きもの。「ジョジョシリーズのスタンドといえば?」という質問があれば、間違いなく上位に食い込んでくるであろう「DIOのザ・ワールド」に関しては、「ある程度技術が上がってから」作りたいと考えていたそうです。

 そして、コンセプト通りに少年ジャンプの世界から現実化したそれは、「自分なりに情報を咀嚼し直してのアレンジ」も随所に施しています。

「自分なりに情報を咀嚼した上のアレンジ」を施したという投稿者。

 「『機械的な無骨さ』・『有機的な生々しさ』・『造形の力強さ』を融合したデザインを、全面に押し出していくことをこだわりにしています。例えば、背中・後頭部・下腿部分には機械的なパーツがありますが、反対に上腕は血管が浮いていたり、前腕の一部には筋繊維が露出して見える部分を加えているんです」

『機械的な無骨さ』・『有機的な生々しさ』・『造形の力強さ』を融合したデザイン。

背中・後頭部・下腿部分には機械的なパーツのデザイン。

上腕部分には血管が浮かび上がったりと、「人間的」な要素も。

 とはいえ、それはあくまでも「アクセント」であることも付け加えるザキオグラフさん。

 「もちろん、誰が見ても『あのキャラだ!』と分かってもらえることも重要です。原作イメージを崩さないように、濃縮還元できるようなリ・デザインを行いました」

 改めて投稿写真を見てみると、本作はヒトが着用するコスプレ造形ということもあってか、”生々しさ”ともいえるほどの「生命感」を伝える作品となっています。本当に時を止めてしまいそう。

 それにしてもこれだけのクオリティ。再現において苦労した点も大いにあるかと思いきや、ザキオグラフさん曰く「特にない」そう。「強いてあげれば、『肉体の有機的な凹凸感』の表現ですかね」。

 一方で、「悩み」はあるそうで、それはお披露目をする機会。実は本作は2019年末に作られたものですが、その後コロナ禍により、コスプレイベントが軒並み中止に。その結果、約2年もの間、主だった活動が行えない状況下にありました。

投稿日に念願のスタジオ撮影が実現。時は動き出す!

 今回ザキオグラフさんがTwitterに投稿した「2021年12月11日」は、待望のスタジオ撮りが叶った1日でもありました。今回はそれを記念してのツイートでもあったようです。時は動き出すッ!

https://twitter.com/zakiograph/status/1469984994995351553

<記事化協力>
ザキオグラフさん(Twitter/Instagram:@zakiograph)

(向山純平)