ゲーム機をモチーフにしたファンアート模型を作っているTwitterユーザーのだいやきさん。その作品は“オリジナル”を忠実に表現した再現度の高さに加え、模型の持つ愛らしい風貌も特徴的。つい先日には最新作「バーチャルボーイ」を公開しています。

 「メイトのバーチャルボーイver.作りました!目が痛くなって長時間プレイが出来なかった思い出が…」

 Twitter上でこう紹介された写真には、1995年に任天堂より発売された3Dゲーム機「バーチャルボーイ」の姿。3D造形作家の小林和史氏原案で、模型メーカーの「ハセガワ」より販売されているプラモデル模型「メカトロメイト」で表現しています。

往年の名作ハードのファンアート模型を作る投稿者。最新作はバーチャルボーイ。

 「『メカトロメイト』の目の部分が、バーチャルボーイの覗くところに似てるなと思い、すぐに全体像がイメージできたのが選んだ理由なんです」

 そう“採用理由”について語るだいやきさん。バーチャルボーイといえば、登場したのは据え置きタイプの家庭用ゲーム機が主流の時代。しかし他の機種とは一線を画し、ゴーグル型のディスプレイ画面をのぞき込んでプレイをするという斬新なデザインが特徴的です。

 残念ながらヒットには結びつきませんでしたが、今のVRにも通じる設計は「早すぎたゲーム機」として記憶に残ることとなり、当時の子供たちにとっては思い出深いものとなっています。

 一方、メカトロメイトといえば、楕円形の顔にデジタル数字の「8」のような目が特徴的。ちなみに、市販されているメカトロメイトには、ボディが黒タイプのものも販売されています。

 しかし、だいやきさんの「バーチャルボーイver」は、全身が光沢感のある「漆黒」。頭部は、赤が特徴的なゴーグルとなり、胸部にはこだわりポイントでもあるというコントローラーグリップ。さらに背部にはソフトが内蔵されており、いつでも“プレイ可能”な状態に。

背部にはソフトが内蔵。

 だいやきさんは、続く投稿で“プレイ風景”も公開しています。そこには、スーツ姿のメカトロメイトに加え、同じく小林和史氏考案・ハセガワ販売による「メカトロウィーゴ」がバーチャルボーイで遊んでいる「コラボレーション」姿。

ゴーグルを覗き込むという斬新なデザインだったバーチャルボーイ。本作もメカトロウィーゴがプレイ。

 また翌日の投稿で、だいやきさんは「4兄弟になりました」と、今回のバーチャルボーイを含めた4体のファンアート作品を紹介しています。

 先述のメカトロウィーゴから生み出された「スーパーファミコン」、ロボットデザイナーのmoi氏がデザインし、模型メーカー「エムアイモルデ」が展開しているプラモデル「チョイプラシリーズ」におけるホビーキット「陸上自衛隊07式戦車なっちん」により作られた「ファミコン」、模型メーカー「海洋堂」より販売展開されているプラモデルシリーズ「ガチャーネン」をベースにした「ゲームボーイ」の姿が。

これまでに3体の任天堂ゲームハードのファンアート模型を作った投稿者。

 実は本作は、だいやきさんの「任天堂ゲーム機ファンアートシリーズ」の4作目にあたるもの。いずれも一目で連想できる再現度でありながらも、ベースにしたロボット模型の原型を崩さずに作られており、そのハイクオリティぶりが際立つものに。

 ちなみにだいやきさんは、任天堂以外のゲームハードのファンアートも製作されています。それが、造形作家の水野功貴氏が創造し、東京都にある玩具メーカー「壽屋(コトブキヤ)」が販売しているプラモデルシリーズ「TAMOTU」を用いて作った「初代プレイステーション」。こちらも「任天堂4兄弟」同様に、見る人が思わず胸高鳴る作品に仕上げられています。

以前はTAMOTUを用いたプレイステーションのファンアート模型を作った投稿者。

 というわけで、これまでに5体の「家庭用ゲーム機ファンアート模型」を作り上げただいやきさん。そしてそれらは、全て異なるロボット模型を用いたことも特筆すべき点です。

 1980年代・1990年代といえば、数多くのメーカーにより、多種多様な家庭用ゲーム機が販売展開されていた時代。今回の「バーチャルボーイ」「ファミコン」「スーパーファミコン」「ゲームボーイ」「プレイステーション」以外にも、様々な「思い出のゲーム」が存在します。

 これからも、ライフワークとして取り組んでいくというだいやきさん。果たして6体目が一体何になるのか、筆者もかつての子供の一人として楽しみにしたいと思います。

<記事化協力>
だいやきさん(@minosuke_11)

(向山純平)