イラストレーターのNanamiさんの絵のテーマは「異国への旅」。「大学卒業後に訪れたスペインの文化や建築の影響を受けたんです」というきっかけもあってか、異国情緒を体感できる作品が特徴的です。

 2017年からは「Nautica(ノーティカ)」という屋号で活動を行い、SNSなどを通じて作品を発表しています。つい先日には、タロットカードに描いたイラストが、Twitterで反響を呼びました。

 この日、「#絵柄が好みって人がいればいいなぁ 異国とか動物とか好みであれば、なおいいなあ」と紹介したのは、4枚のタロットカードを描いたイラスト作品。

 「月」「死神」「悪魔」「隠者」のタロットを、それぞれ「狼」「蛇」「マーコール」「アパトサウルス」という動物で表現しています。

Nanamiさんツイッターより。

 「月については、『月に狼』というのがテンプレート過ぎないかなと思うところもあったのですが、『それなら楽しんで描こう』と自分が好きなように描いた作品です」

 「反対に死神は、元々『死』をテーマに絵を描くということについて、自分自身が一番やりたくないと感じていた中で描いた作品です。軽々しく扱うテーマではありませんし、かといって中途半端に分かった気になって描くものでもありませんので、『生きていく中で避けられないもの』『いつかは絶対に迎えに来るもの』といった感情論を排して描きました。描いた後から暫く経ちますが、未だに難しいテーマと思いますね」

 「悪魔は、『悪魔を描く』というよりは、『悪魔の誘惑』にフォーカスをした作品です。悪魔というのは、構図ひとつでとんでもなく野暮ったい印象にもなるテーマなので、カードの意図を解釈して、かなりの描き直しを行って形になったように感じます」

 「隠者については、中生代ジュラ紀に存在したと言われる恐竜のアパトサウルスを起用しました。元々タロットカードの“主人公”たちは、実在する生き物を据えていて、隠者も当初は『高齢の亀』をイメージしていましたが、『原初的な地球の滅亡を知った』という意で恐竜を起用しました。映画の『ジュラシックシリーズ』を見て、スケッチなどを行っています」

 と、詳細を語るNanamiさん。なお、このタロットイラストは「シリーズ作品」。今年(2021年)2月から10月にかけては、タロットカード全78枚のうち「大アルカナ」に分類される22枚が描かれています。

全78枚のうち、「大アルカナ」に分類される22枚のタロットを描いた投稿者。

 「基本は、『ウェイト版』のタロットをベースに進めていましたが、カードの表面だけの理解では分からないことが多く、それぞれに込められたモチーフの存在の意味をもう一歩踏み込んで調べていきました。そのおかげで、自分自身の解釈も広がり、絵にも反映されたかなと感じています」

 一方、シリーズ作として取り組んだのは、それまでの自身の創作活動における、ある「課題」を感じたこともきっかけ。

 「元々私は、『好きなものを気ままに描く』ということを作品スタンスにしていました。ただそれだと、自由に絵を描けることが楽しい反面、『自分の得意分野しか手を出さなくなる作家活動になるのではないか?』と考えるようになったんです」

 「その中で、『自分自身の特色を生かしながらも、苦手とすることも手を出さなくてはいけない状況に陥りたい。だから、多種多様なシリーズに取り組む』と考えたときに、タロットカードの存在が脳裏に浮かんだんです」

 今回22種類のタロットカードイラストを描き切ったNanamiさん。その中には投稿のように、「楽しんで描いた(月)」と自分の「色」を出しきった作品もあれば、「未だに難しいテーマと思う(死神)」と産みの苦しみを経た作品も。

 「描いたことのなかった動物たちを描く良い機会に恵まれたと感じます。時間はかかりましたが(8か月)、全て描き切ることが出来て安堵しています」

 なおNanamiさんは、11月13日と14日にかけ、東京ビッグサイトで開催される「デザインフェスタvol.54」に参加されます。

デザインフェスタでは、自身のイラストでデザインされた雑貨を出品するそう。

 デザインフェスタでは、自身の創作活動のきっかけとなったスマホケースに加え、ポーチ、マルチケース、メガネ拭きといった雑貨も展示するとのことです。

<記事化協力>
Nanamiさん(Twitter:@n_nautica73/Instagram:@n.nautica73)

(向山純平)