「ずっとこれがやりたかった」というつぶやきとともに、タケさんがTwitterに投稿した4枚の写真。

 そこでは「ジョジョの奇妙な冒険」第3部の名場面、空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」と、DIO(ディオ・ブランドー)のスタンド「ザ・ワールド」による「突き(ラッシュ)の速さ比べ」がガンプラで再現されていまし……オラオラオラオラオラオラ無駄無駄無駄無駄無駄ァー!!!!!

 「アニメを見始めたのがきっかけだったんです」とは、冒頭のファンアートの作者でもあるタケさん。大学で学業に励む傍ら、ガンプラなどの模型製作を行っている現役学生モデラーです。

 今回、スタープラチナならびに、ザ・ワールドのスタンドをガンプラで“見立て改造”して、「オラオラオラオラオラオラ……」「無駄無駄無駄無駄無駄……」とおなじみのセリフのプレートも別途用意して再現したタケさん。しかし、当初の構想とは異なるものだったそうです。

 「元々僕が好きなのはDIOの『ザ・ワールド』で、その再現ガンプラだけを作ろうと思い製作したんです。でもいざ作ってみると、『スタープラチナも一緒に並べたい!』という欲求に駆られて、2体とも製作することにしました」

投稿者がまず最初に作ったDIOのスタンド「ザ・ワールド」をモチーフにしたガンダム。

その後翻意して「スタープラチナ」についても見立て改造をすることに。

 また、双方のスタンドでこだわった点は各部分の装飾。「可能な限り再現しつつ、素体として使用したガンプラの『ガンダムらしさ』も残すように」タケさんは組み上げ。結果、「スタープラチナガンダムVSザ・ワールドガンダム」の”ガンダムファイト”でもある側面も残しています。

「ガンダムらしさ」と「「原作再現」両方を重視したという投稿者。

 一方で、こだわりがゆえに苦労した点もまた装飾部分。

 「特にスタープラチナの頭髪部分は苦労しました。最終的には、『ガンダムジーエンアルトロン』という機体の爪パーツを切り貼りすることで再現したんですが、『プラスチックパーツで髪の躍動感を出す』というのは、なかなか大変な作業でしたね」

もっとも苦労した部分という、スタープラチナの頭髪。

 ちなみに、タケさんはザ・ワールドガンダムは2021年4月、スタープラチナガンダムは翌5月に製作。

 というわけで、今回の投稿は過去作品の再掲……ではなく、「オラオラオラオラオラオラ……」「無駄無駄無駄無駄無駄……」の吹き出しプレートを新たに製作し、シーン再現をしたための新規投稿。そんなプレート部分も、様々なこだわりを取り入れたものなんです。

吹き出しプレートも限りなく原作再現。

 「吹き出しとセリフに関しては、形やボリューム感を原作に合わせ、フォントも可能な限り似たものを探して限りなく再現度を高めています。なので、キーボード入力したセリフを原作に寄せるのには苦労しました。文字の太さや傾きも可能な限り、原作再現に近づけているんですよ」

 細部にわたるこだわりによって生まれたガンプラ版「突きの速さ比べ」。画像の向こうから、テレビアニメ版の担当声優である、小野大輔氏(空条承太郎/スタープラチナ)と子安武人氏(DIO/ザ・ワールド)のラッシュ時の咆哮が脳内再生されるのは筆者だけでしょうか。

「30 MINUTES MISSIONSシリーズ」では公式開催イベントで複数回賞を受賞している投稿者。

 なおタケさんは、近年バンダイが展開している「30 MINUTES MISSIONSシリーズ」のプラモデル製作においても精力的に活動。公式カスタマイズミッションでも、作品が複数回受賞するなどされています。

<記事化協力>
タケさん(@takeRe0096)

(向山純平)