「昆虫のイラストは好きだけど、実物を見たり触ったりは苦手」という方って多いのでは。

 かくいう筆者もそのひとりですが、その悩みを解決できる?虫の立体カードが、Twitterで話題となっています。

 「アブラゼミできましたー!予想以上に時間がかかってしまったけど、その分カッコよくできたかなと思います」

 このつぶやきとともに約30秒の動画を投稿したみなみあすかさん(以下、みなみさん)。昆虫などの生き物の絵を描いている傍ら、先述の虫の立体カードをこれまでに20種類以上作っています。

 今回紹介した作品は、季節感も相まった「アブラゼミ」。動画では、あらかじめ用紙に描いた胴体のイラストと、金の留め具で取り付けた翅(はね)のついたセミが映し出されています。胴体のイラストのリアル感さと、翅の立体感が加わって本物そっくりな見た目。

 そこからみなみさんは、アブラゼミが羽ばたく姿も紹介。すると、翅の下からさらにもう1つの翅がチラリ。どうやらみなみさん、セミの前翅(ぜんし)と後翅(こうし)両方を作った様子。画面から本当に飛び立ちそうなインパクトです。

金の留め具で取り付けた翅が羽ばたく仕様になっています。

 思わず見入ってしまう動画ですが、みなみさんが今回作成するにあたってこだわったのが翅部分。「半透明さをなるべく再現したいと思い試行錯誤した結果、『印刷フィルム用紙』を使用しています」とのこと。

本物のような精巧さ アブラゼミの「虫の翅の立体カード」が反響。

様々な用紙を試したというアブラゼミの翅部分。

 生命感あふれるアート作品ですが、虫が見せたある姿に大きな影響を受けたそうです。

 「蛾の、壁に止まっている時は地味でも翅を広げると美しい姿を見て、『これをどうにか表現できれば』と思ったのがきっかけでした。もっと多くの人に、虫に触れる機会が作れたらいいと思います」

蛾の羽ばたく姿が作品の着想だったという投稿者。

 みなみさんに命を吹き込まれた虫たちは現在、東京にあるウサギノネドコ東京店の「羽展」でも展示中。今月(9月)14日までの開催とのことです。

<記事化協力>
みなみあすかさん(@iseki373)

(向山純平)