Twitterで人気のレストランシェフ、麦ライスさんの料理テクとレシピをまとめた書籍「新お家ごはんの教科書(KADOKAWA:税別1400円)」が3月に発行されました。編集部にも1冊送られてきたので、2つのレシピを選び、実際に作って味わってみようと思います。

 都内のレストランでシェフを務める麦ライスさん初のレシピ本「新お家ごはんの教科書」には、手間がかからず、手早く美味しく作れるレシピや料理テク100種類が収録されています。これらはすべて、過去に麦ライスさんがTwitterに投稿したもの。Twitterの限られた文字数では伝えきれない部分が、本の形でまとめられているという感じです。

麦ライスさん初のレシピ本「新お家ごはんの教科書」

 Twitterで評判となったものばかりなので、どれを選んでも美味しいことは間違いないのですが、筆者が今回作ってみようと思ったのは、ピーマンが苦手でも食べられるという「麦ライス家の永久ピーマン」と、「麦ライス家の永久キャベツ」の2種類。どちらも作り置きして常備菜としても役立つメニューです。

■ ピーマンが苦手でも食べられる「麦ライス家の永久ピーマン」

 まずは「麦ライス家の永久ピーマン」から。材料はピーマン4つとバター大さじ1、めんつゆ大さじ1に、しょうゆが小さじ1。材料、調味料とも手軽な感じです。

「麦ライス家の永久ピーマン」の材料

 ピーマンの下ごしらえですが、麦ライスさんおすすめの方法は、親指でヘタの部分を押し込み、そこからタネを取り出す方法。もともとピーマンのタネは柔らかいので、多少残っていてもそのまま食べて大丈夫。しかも本来タネの方へ栄養を送っている訳なので、栄養価も高いんだそうです。

親指でピーマンのヘタを押し込んでタネをとる

 ピーマンは1.5cm角程度のさいの目切りにします。一般的な大きさのピーマンであれば、縦に4等分して、その幅に合わせて横の長さを整える感じが目安になるでしょう。

さいの目切りにしたピーマン

 フライパンにバターを入れ、溶けたら切っておいたピーマンを加えます。火加減はずっと中火。強火にするとバターやタネが焦げやすくなるので注意しましょう。

中火でピーマンを炒める

 炒めていくと、ピーマンやタネが徐々に色づいてきます。ピーマンの苦味は熱に弱いので、苦味が嫌な人はじっくり火を通すといいでしょう。シャキシャキした食感が好きな人は、鮮やかな緑が少し落ち着いた頃を目安にするといいかもしれません。

ピーマンやタネが徐々に色づいてくる

 ピーマンが色づいたら、めんつゆとしょうゆを合わせた調味料を回しかけます。そしてピーマンに絡めていくのですが、ここから焦げやすくなるので、慣れない人は一旦火を止めて調味料を入れるか、弱火にするといいでしょう。

合わせ調味料を回しかける

 調味料が絡まったら、完成。器に盛り付けます。アツアツ出来たてをすぐ食べてもいいのですが、少し冷ますと味が落ち着き、より味わい深くなります。

完成した「麦ライス家の永久ピーマン」

■ 火や包丁を使わない「麦ライス家の永久キャベツ」

 続いて「麦ライス家の永久キャベツ」は、火も包丁も使わずにできる和えものです。用意するのはキャベツ1/4玉に、合わせ調味料の材料として、しょうゆ大さじ1、ごま油大さじ1、豆板醤小さじ1、砂糖小さじ1、顆粒の昆布だし小さじ1、おろしニンニク小さじ1/2。

「麦ライス家の永久キャベツ」の材料

 キャベツは手で一口大にちぎります。手でちぎるのは理由があって、煮物でこんにゃくを手でちぎるのと同様、断面が不連続になって味が染み込みやすくなるんです。

キャベツは手で一口大にちぎる

 ちぎったキャベツをボウルに入れ、合わせ調味料を入れます。合わせ調味料を作る際、豆板醤、砂糖、顆粒昆布だし、おろしニンニクを醤油で溶いてから、ごま油を最後に加えると上手にできると思います。

キャベツをボウルに入れる
合わせ調味料を加える

 合わせ調味料を加えたら、よく混ぜ合わせます。混ぜ合わせた後、少し時間をおくと味が馴染んでより美味しくなりますよ。

よく混ぜ合わせる
完成した「麦ライス家の永久キャベツ」

 こちらの永久キャベツは、色々アレンジしても面白そうです。ピリ辛がお好きな人は豆板醤を少し多めに入れたり、昆布だしの代わりに塩昆布を使っても美味しそう。味見をしながらバリエーションを楽しむのもアリですね。

「麦ライス家の永久ピーマン」と「麦ライス家の永久キャベツ」

 撮影しながらなので時間が少しかかりましたが、作るだけなら30分もかからずに2品ともできる感じ。このほかにも「新お家ごはんの教科書」には、様々なお手軽本格レシピが掲載されているので、一人暮らしの方も試してみるといいかもしれません。

(咲村珠樹)