イギリスのアスチュート級攻撃型原子力潜水艦の5番艦、アンソンがバロー=イン=ファーネスにあるBAEシステムズの造船所で進水し、完成前の最終的な試験に入ったとイギリス海軍が発表しました。試験はイギリス海軍と、BAEシステムズのエンジニアが協力して進められています。

 イギリス海軍のアスチュート級は、トラファルガー級の後継となる攻撃型原子力潜水艦。全部で7隻が建造され、1番艦のアスチュートは2010年に就役しています。

 5番艦のアンソンは、2011年10月13日に起工。カンブリア州バロー=イン=ファーネスにあるBAEシステムズのデヴォンシャー・ドックホールで、およそ10年にわたって建造作業が続けられてきました。

 艦の命名式が実施されたのは、2020年12月11日。命名者(シップ・スポンサー)となったのは、ジョン・ウィール海軍少将の配偶者、ジュリーさんでした。新型コロナウイルス禍の最中ということもあり、艦名とエンブレムが示されるシートが艦首を覆った姿は、まるで潜水艦がマスクをしているようにも見えます。

 進水にあたっては、潜水艦を組立棟から引き出し、エレベーター式のドックに据え付けます。作業は慎重に行われ、およそ2日がかりで据え付けられた後、ゆっくりとドックの床を沈下させてアンソンを浸していきました。

 作業を見守っていたアンソン艦長(艤装員長)のデビッド・クロスビー中佐は「エンジニアたちがすべてのタンクの状態をモニタリングし、異常がないかを確認するため、シップリフト(船舶昇降機)の降下には時間がかかります。そのおかげで潜水艦が水面に浮かんだ際、正しい姿勢でトリムを維持できるのです。水面に下ろされると、今度は艦内を巡回し、気密性に問題はないか、浸水がないかチェックします」と、潜水艦の進水作業における独特の手順を説明しています。

 アイルランド海に身を浮かべた潜水艦アンソンは、別のドックへと移動しました。ここでBAEシステムズのエンジニアとイギリス海軍の乗組員たちが共同で、海上公試に先立つ作業として機関や各システムのチェックを実施します。

 クロスビー艦長は「我々のチームと海軍の強力な連携が、BAEシステムズの建造チームと契約サポートを維持していることに興奮を隠せないでいます。これらのチームは2022年にアンソンがバローを離れ、これから長く続く運用に先立って実施される公試についても成功を保証してくれるでしょう」とも語っています。

 クロスビー艦長の言葉にもある通り、アンソンは2022年より海上公試をスタートさせます。アスチュート級は残り2隻の建造も進んでおり、6番艦アガメムノン、7番艦エジンコートは2025年までに就役する見込みとなっています。

<出典・引用>
イギリス海軍 ニュースリリース
Image:BAE Systems

(咲村珠樹)