「オーダーダイニングテーブルに使う木です。極上杢」

 そんなつぶやきとともに、京都府在住の細見圭弥さん(以下、細見さん)が自身のTwitterに投稿した1枚の写真。

 細見さんは、主にテーブルなどの家具をレジンを用いて製作するレジンアート作家。見る人をグッと引き寄せるかのような生命感あふれる作品は、SNS上でも都度話題になる気鋭のクリエイター。

 弊社でもその独創性に注目し、過去に紹介したこともあります。

 そんな細見さんですが、この日投稿したのは自身の作品に使用する材料についてのつぶやき。

 「フォロワーの方に、生命力や力強さを知ってほしいと思っての投稿だったんです」と、そのねらいを語ってくれた細見さんの投稿写真に写るのは、「極上杢(もく)」と呼ばれる木材の一種。

 「『極上杢』は、燃えるような木目に、滾るような光沢感が特徴なんです。希少かつ高価なものなので、僕の作品でも取り扱いが本当に少ないんですよ」

 同時に「『自然の美しさ』も見て欲しかったので」と語る細見さん。今回の記事化にあたり、壁に横たわった際の全体画像もご提供いただいたのですが、言わんとしていることが納得できる存在感。

 そんな極上杢を、自身の作品にどのように”調理”するのかも大いに気になるところ。

 細見さんは「あくまで没案ですが」と前置きしたうえで、それを用いたデザイン案の画像を今回特別に見せてくださいました。そこには先ほどの極上杢を引き立たせるように据えつつも、「レジンアート」としてはめ込むよう青系統のレジンを絶妙な配分で取り込んだデザイン案が広がっています。これで「ボツ」なのか………

 ちなみに、細見さんは上記の没案も含め、複数のデザイン案を作成し、顧客に事前に提案するスタイルを取っているとのこと。

 余談ですが、これはあくまで筆者の実体験レベルの話となりますが、仕事でデザイナーの方と折衝する場合、細見さんのようなユーザーまで行き届いた提案をされる方は、意外に少数派だったりします。細見さんの場合、「売買」というところまでを生業としているということも理由のひとつと思いますが、しかしながらそういった「Win-Win」のスタンスを実践し続けているからこそ、作品群が一過性の話題で終わっていないのではないでしょうか。

 我々ライター側も、クリエイターの方を紹介する際は、話題となった「作品」についてクローズアップしがち。もちろんそれも大切ではありますが、時には今回のように「過程」に着目するのもまた、意義あることあることだと考えています。

<記事化協力>
細見圭弥さん(Twitter:@Guruten11/Instagram:@guruten04)

(向山純平)