デンマーク空軍向けF-35Aの1号機が2021年4月7日(現地時間)に引き渡され、テキサス州フォートワースにあるロッキード・マーティンの事業所で引き渡し式典が開催されました。北欧でF-35を受領するのは、ノルウェーに続いて2か国目。デンマーク空軍は老朽化したF-16A/Bの後継として27機を導入し、デンマーク国内で機体の一部も生産します。

 テキサス州フォートワースで開催された引き渡し式典には、ロッキード・マーティンとデンマーク国防軍の幹部が出席。デンマークのブラムセン国防大臣は新型コロナウイルス感染防止のため、直接アメリカには赴かず、リモートで次のような談話を寄せました。

「世界を取り巻く安全保障環境は複雑化の一途を辿っていますが、このF-35により、これまでと同様にデンマークや周辺地域、および必要に応じてアメリカと協力しての防衛能力強化を図ります。導入されたF-35は、今後数十年にわたってデンマーク防衛の絶対的中心となることでしょう。デンマークはNATOのパートナー、そしてアメリカの良き友人として信頼できる同盟国としてあり続けます」

 ロッキード・マーティンの航空部門を統括する、グレッグ・ウルマー上級副社長は「F-35はデンアークの独立と制空権を揺るぎないものとし、複合環境およびネットワークベースの統合作戦を強化し、北極圏の平和と安定に極めて重要な役割を果たすでしょう。このゲームチェンジャーたる戦闘機は、デンマーク政府とデンマーク産業界の確かな支援なくして実現しませんでした」とコメント。デンマークの協力に謝意を示しました。

 デンマークのフレミング・レンファー統合参謀総長は、式典で「将来の新たな脅威に対抗するには、最高の能力を備えた防衛力の整備が不可欠です。私たちは技術開発の最前線にいるだけでなく、さらなる開発を進めなければなりません。今日、ここフォートワースでデンマーク最初のF-35を受領したことは、空軍だけにとどまらず、デンマーク全体の防衛にとって大きな変革の象徴です。F-35は非常に洗練された技術を有する、世界で最も先進的な航空機です」と語っています。

 デンマーク空軍のアンダース・レックス参謀総長は「デンマークの戦闘機は、すべてスクリュズストロプ空軍基地にあります。現在、2023年に予定されるF-35のデンマーク配備に向け、多くの建設工事が進行中です。個人的には、次期戦闘機選定作業に15年以上も取り組んでいるので、このL-001(デンマーク向けF-35Aの1号機)の前に立っているのは非常に感慨深いものがあります。新たな住処となるスクリュズストロプにF-35を迎えるのを、今から楽しみにしています」と、これまでの長い道のりを振り返りました。

 デンマーク空軍に引き渡された最初のF-35A「L-001(Lightning IIの1号機を示す。以下最終27号機のL-027まで)」は、一旦アメリカ国内のルーク空軍基地に移動し、次のロットで受領予定の6機と合わせ、デンマークから派遣されたパイロット要員や整備員らの機種転換訓練に使用されます。デンマーク空軍ではF-35のことを非公式に「パンサー(Panter)」と呼んでおり、このニックネームで呼ばれ続けるようです。

<出典・引用>
デンマーク国防軍 ニュースリリース
ロッキード・マーティン ニュースリリース
Image:デンマーク国防省/lockheed Martin

(咲村珠樹)