陰陽師を主人公とするCLAMP原作のTVアニメ「東京BABYLON 2021」。キャラクターの衣装デザイン2点において模倣盗用が判明し、プロダクト全体について見直したところ、さらに多数の模倣盗用があったため、制作中止が発表されました。製作委員会はCLAMPの皆さんと協議した結果、全く新しい体制で再出発するとのことです。

 新書館の「サウス」「月刊ウィングス」で1990年~1993年に連載された「東京BABYLON」。千明孝一監督により1992年と1994年にOVA化されていましたが、テレビシリーズとなるのは今回が初めてとあり、大きな注目を集めていました。

 2020年11月19日の制作発表ではキャラクタービジュアルを公開したほか、主要キャストも発表。TVアニメ「K」や「ハンドシェイカー」シリーズの鈴木信吾監督とTVアニメ「八月のシンデレラナイン」の工藤進監督により、2021年4月の放送開始がアナウンスされていました。

 ところがその翌日、発表されたキャラクタービジュアルで、主人公の皇昴流と姉・北都の衣装が既存の衣装デザインではないかとの指摘がキングレコードに寄せられ、キングレコードと製作委員会が調査したところ、それが事実であることを確認。12月4日付で公式サイトにお詫びが掲載され、さらに12月24日には放送開始を延期する旨が発表されました。

 キングレコードの発表によると、衣装設定を構築する上で、制作会社(GoHands)内での確認作業が十分になされないまま進められており、製作委員会の幹事社であるキングレコードでも二重チェックが働かなかったとのこと。それぞれの衣装の権利元に陳謝し、該当イラストを取り下げ、デザインを変更する旨を伝えたとしていました。

 製作委員会では、このようなことがないようコンプライアンスチームを組成。注意喚起するとともに、2021年4月の放送開始予定を延期してプロダクト全体を対象に確認を進めていたところ、さらに多数の模倣盗用が判明したといいます。

 この事態を受け、製作委員会で協議した結果、現制作会社との信頼関係が失われたと判断。制作続行は不可能として「東京BABYLON 2021」の制作を中止するという結論に至ったとしています。制作中止にともない、公式サイト、Twitter、Instagramは2021年4月30日をもって閉鎖されるとのこと。

 なお、今回のTVアニメ「東京BABYLON 2021」は制作中止となりますが、製作委員会では原作者であるCLAMPの皆さんと協議の上、全く新たな体勢で再出発することになったとのこと。新たな制作会社、スタッフのもと、再びTVアニメ「東京BABYLON」のアナウンスがなされることを期待したいと思います。

※初出時、原作者名の綴りに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
<出典・引用>
TVアニメ「東京BABYLON 2021」公式サイト
※見出し画像はTVアニメ「東京BABYLON 2021」公式サイトからのスクリーンショットです

(咲村珠樹)