フランス航空宇宙軍と海軍は、主力戦闘機ラファールの最新バージョン「F3-R」が、2021年3月より運用能力を獲得したと発表しました。これまでの運用試験や、初度運用能力獲得後における任務での検証作業が終了したことをあらわし、いよいよ本格的な実戦参加が始まります。

 ラファールは就役以来、細かな改良を重ねて機能をアップデートさせてきました。これまで主力となっていたのは、航空宇宙軍のラファールB/C、海軍のラファールMともF3(F3-4+)仕様となっています。

 最新モデルとなるF3-Rは、F3に対して新しい兵装の運用能力やデータリンク能力を付加したもの。性能が向上した可視光/赤外線レーザー照準ポッドTALIOS(TArgeting Long-range Identification Optronic System)を装備し、精密誘導爆弾GBU-16の運用能力を獲得したほか、火器管制レーダーをアクティブ走査式に換装することにより、新しい視程外(BVR)空対空ミサイルのミーティアも運用可能となりました。


 また、電子戦システムSpectraも改良され、GPSシステムも電波妨害に強くなっています。自動衝突回避システム(AGCAS)も搭載され、飛行中にパイロットが意識を失ったり空間識失調(バーディゴ)に陥ったりした場合でも、墜落を自動的に回避できるようになりました。

 整備面においても、より高速で正確な障害診断システムを搭載し、整備にかかる時間を短縮できるようになりました。これにより、稼働率の向上が見込めます。

 フランスのフィリップ・ラヴィニェ航空宇宙軍参謀総長とピエール・ヴァンディエ海軍参謀総長は、2021年3月4日(現地時間)に実施されたミーティア空対空ミサイルとGBU-16の実射試験が問題なく終了したことを受け、3月8日に共同でラファールF3-Rの運用開始(MSO=Mise en Service Operationnel)を許可する命令書にサイン。これにより、ラファールF3-Rは実任務で全面的に運用が可能となりました。

 F3-R仕様は、現在開発計画が進行中の次世代型、F4のベースとなります。F4仕様ではF3-Rの能力に加え、ヘルメットマウント式の照準システムなども採用される予定です。

<出典・引用>
フランス軍事省 プレスリリース
Image:フランス軍事省/フランス航空宇宙軍/フランス海軍/MBDA

(咲村珠樹)