ロッキード・マーティンは2021年3月10日(現地時間)、デンマーク空軍向けF-35Aの1号機「L-001」が、テキサス州フォートワースで初飛行を実施したと発表しました。デンマークはヨーロッパにおける5番目のF-35運用国で、1号機の引き渡しは4月7日に予定されています。

 北欧諸国でノルウェーに続くF-35運用国となるデンマーク。1997年に統合打撃戦闘機(JSF)計画に参画し、2016年に通常離着陸型のF-35Aを27機導入することを決定しました。

 現在デンマーク空軍ではF-16AM/BMを運用していますが、すでに導入から40年以上が経過しており、機体寿命に近づいています。このため、2020年から2024年にかけて段階的にF-16を退役させ、F-35Aへの世代交代を図ることになりました。

 デンマーク向けF-35Aの1号機は2021年2月末に完成。ほとんどのF-35導入国ではグレーの低視認(ロービジリティ)の国籍標章を採用していますが、デンマークではF-35運用国同士の共同訓練などの際、パイロットたちが自分の飛行機をすぐに判別できるよう、通常用いられている赤と白の円による国籍標章と、垂直尾翼にデンマーク国旗(Dannebrog)をデザインしています。

 円(輪)による国籍標章は、デンマーク以外にもイギリスなど多くの国が採用。すでにイギリスがグレーの低視認仕様を採用しているため、同じデザインにならざるを得ないデンマークにとってみれば、赤い色で識別を容易にしたくなるのも分かります。

 1月には、デンマーク空軍初のF-35パイロットとしてコールサイン「KIN」中佐が選ばれ、訓練のためアメリカに派遣されることになりました。パイロットスーツもF-35用に改良され、コックピット内が暑くなりすぎた場合に冷却する機能が加えられています。

 完成したデンマーク向け1号機は地上試験を実施したのち、3月8日にロッキード・マーティンのテストパイロットにより初飛行。まずは空中での基本的な機能がチェックされました。

 試験飛行は4月7日の引き渡し式までに、ロッキード・マーティンとアメリカ空軍のテストパイロットにより、あと3回実施される予定。引き渡し後はアリゾナ州のルーク空軍基地へ移され、デンマーク側によるチェックが行われます。

 すでにアメリカで訓練を始めている「KIN」中佐が、デンマーク向け1号機を操縦するのは5月になる見込み。デンマークにF-35がやってくるのは2023年を予定しており、南デンマークのスクリュズストロプ空軍基地で運用されます。

<出典・引用>
ロッキード・マーティン プレスリリース
デンマーク国防軍 ニュースリリース
Image:Lockheed Martin/デンマーク国防省

(咲村珠樹)