不特定多数が触る病院の診察室のドアノブ。感染者の手に付着したウイルスがドアノブを介して他の人に移る可能性は0ではありません。これを回避するため、特に病院では細かく除菌をおこなっていますが、それに加えたさらなる回避システム(?)がツイッターで紹介され、多くの人が関心を持つところとなりました。

今、病院の診察室入る時
「自動で開くからドアノブ触らないで」って張り紙あって「へー自動なんだー」って思ってはいったら、主治医がデスクからヒモ引っ張って開閉してた

 と、診察後に何げなくつぶやいたのは、ネットユーザーの彰子さん。息子さんを診察に連れていく事が多いそうですが、今回は彰子さんご自身の事で普段はあまり行かない整形外科にかかった時の事でした。

 診察室のドアは引き戸になっており、棒状の取っ手をつかんで横に引く事で簡単に開きます。この診察室は、主治医のデスクがドアを引く方向側にあるために紐を棒状の取っ手部分に括り付け、患者さんを呼び出したところで医師が紐を引っ張ってドアを開けるという形。つまり「自動」ではなく「手動」。

 また、このスライドドアの場合、完全に開け放たないとドアは自然に閉じていくため、ドアを閉めたいときは紐を放せば勝手に閉まる仕組み。ある意味「半自動ドア」でもあるんです。

コロナ禍での診察室の一工夫 自動ドアの仕組みに「タクシーみたい」 投稿者による図解

 後からその仕組みを何げなくつぶやいたところ、「本来のツイートと関係ない事でのびるってこーゆー事なのか」を実感する事となったそう。

 この仕組みのツイートを目にした人たちからは、「タクシーのドアみたい」という声、想像して思わず笑ってしまったという声、自動という名の手動、とまさにそのままな声、感染対策のためかな?と推測する声と様々な声がリプライに寄せられ、多くの人が関心を寄せています。

 病院という場所では、他の施設以上に感染リスクに気を配っています。特に大きな病院で外来患者が多い場合、患者さんが出入りするたびに毎回消毒するのも結構な手間となってしまいます。要は「不特定多数がどこかに触る事を極力減らす」事が感染予防に繋がるわけです。

 医療従事者、特に看護師が不足している昨今、外来勤務者も医師の介助に付く人手が減っています。こうした中の苦肉の策でもあろう今回の自動ドアは、外来勤務で医師の介助にもついたことがある看護師の筆者からしてみると、なかなかよく考えたなぁ、と感心。こうしたちょっと笑えるかもしれないけどナイスなアイディア、患者さんの感染リスクを減らすには有効な策だと思います。

 にしても自動なのか、手動なのか、半自動なのか……。記事にするとき色々表現に悩みました。「医者“自”ら“動”かすので自動」ともいえないことはない……。なんてことも考えてみたり。

https://twitter.com/dRVCqzhb6Umcp1k/status/1360032522231451649
https://twitter.com/dRVCqzhb6Umcp1k/status/1360402386607509506

<記事化協力>
彰子3人の母@親が出来ない事は子も出来ないさん(@dRVCqzhb6Umcp1k)

(梓川みいな/正看護師)