国際宇宙ステーションへの物資を積んだロシアの補給船、プログレスMS-16が日本時間の2021年2月15日13時45分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。打ち上げから約9分後、補給船は予定軌道に投入されて打ち上げは成功。最短3時間あまりで国際宇宙ステーションにドッキング可能なプログレスとソユーズ宇宙船ですが、今回は「ゆっくりコース」で2日後の17日に到着予定です。

 プログレスMS-16の積み荷は、宇宙飛行士用の衣服や食料、酸素と飲料用の水420リットルのほか、国際宇宙ステーションの軌道高度を維持する推進用燃料600kgなど計2.5トン以上。その中には、ロシア側のモジュール「ズヴェズダ」で2020年9月に発覚した空気漏れ(髪の毛1本ほどの微細な亀裂を発見)を補修する、接着剤付きの補強ライニングセットも入っています。

プログレスMS-16打ち上げの概要(Image:ロスコスモス)
プログレスMS-16の搭載物資(Image:ロスコスモス)
プログレスMS-16への物資積み込み作業(Image:ロスコスモス)
プログレスMS-16への物資積み込み作業(Image:ロスコスモス)
プログレスMS-16への物資積み込み作業(Image:ロスコスモス)

 打ち上げロケットのソユーズ2.1aと結合されたプログレスMS-16は、2月12日に組立棟からロールアウト。専用の貨車に積載され、バイコヌール宇宙基地の第31射点にセットされました。

プログレスMS-16のロールアウト(Image:ロスコスモス)
発射台にセットされるソユーズロケット(Image:ロスコスモス)

 日本時間の2月15日13時45分06秒(モスクワ時間7時45分06秒)。プログレスMS-16を載せたソユーズ2.1aロケットは、予定通り打ち上げられました。

発射台で打ち上げを待つソユーズロケット(Image:ロスコスモス)
離昇するソユーズロケット(Image:ロスコスモス)

 打ち上げから8分48秒後、プログレスMS-16はロケットから切り離され、軌道傾斜角51.67度、1周88.55分という楕円軌道に予定通り投入され、打ち上げは成功しました。ソユーズロケットとしては、2月2日にプレセツク宇宙基地から打ち上げられたソユーズ2.1b(国防省の人工衛星コスモス2549)に続き、2021年2回目の打ち上げ成功です。

上昇するソユーズロケット(Image:ロスコスモス)

 プログレス補給船は最短の「特急便」の場合、打ち上げ後3時間あまり、地球を2周しただけでドッキングすることが可能。しかし、今回は宇宙飛行士の活動スケジュールなどを考慮し、地球を34周する「ゆっくり2日間コース」が選択されました。

国際宇宙ステーションから離れたプログレスMS-15(Image:ロスコスモス)

 今後プログレスMS-16は、日本時間の2月17日15時20分(モスクワ時間17日9時20分)に国際宇宙ステーションへ到着する予定。2月9日に国際宇宙ステーションを離れたプログレスMS-15がドッキングしていた、ロシア側のモジュール「ピアース」にドッキングする様子は、NASAとロスコスモスのYouTubeチャンネルで生配信されます。

<出典・引用>
ロスコスモス(ロシア宇宙庁) ニュースリリース
NASA ニュースリリース
Image:ロスコスモス

(咲村珠樹)