このところ、アニメやYouTubeをきっかけに「キャンプブーム」といえる状況になっています。キャンプ場が盛況なのは良いことですが、マナー違反のキャンパーも増え、憂える人も。ヤフー株式会社と株式会社カービューが運営するクルマ情報サービス「carview!」に掲載された2021年1月28日付のPR記事に、火事につながる非常に危険な行為が発見され、ネット上で「炎上」する事態となりました。

■ PR記事で山火事の危険がある「落ち葉の上で焚き火」を披露

 この「炎上」のきっかけは、Yahoo! JAPANの「自動車」コンテンツであり、クルマ総合情報サイトの「carview!」に掲載されたPR記事。carview!は、ヤフー株式会社が株式会社カービューと協力して運営している、日本最大級のクルマ総合情報サービスです。

 問題のPR記事(現在は削除)は、日産自動車がスポンサーとなっている「新型キックスとキャンプ女子のマイキャンさんと、初めての“冬キャン”にチャレンジしてみた」というもの。キャンプ女子YouTuberのマイキャンさんをゲストに、日産の新型キックスで冬キャンプに出かけるという体裁で、2021年1月28日~3月31日の期間限定で掲載されるものでした。

 記事では、キャンプ女子として数々の動画を自身のYouTubeチャンネルにアップしているマイキャンさんに指導を受けながら、carview!のスタッフが初めて「冬キャン」に挑戦する様子をYouTube動画とともに紹介。キャンプ場に到着した一行は、オートサイトに車を乗り入れ、テントを設営して焚き火の準備を始めます。

 ここで、キャンプ経験者なら目を覆いかねない光景が、写真や動画で紹介されました。

 記事の見出し写真にも使われていたのですが、あたり一面落ち葉が敷き詰められた場所に焚き火台を置き、そこで焚き火をしていた。焚き火台を使っているとはいえ、ちょっとしたことで周囲の枯れ葉に引火する恐れがあり、かなり危険な行為。

 焚き火をする際は、薪がはぜて火の粉が飛ぶ危険があるため、周囲に可燃物を置かないのが鉄則。特に落ち葉は引火しやすく、風で飛んで山火事を引き起こす可能性が高いので、まず落ち葉を取り除いてから焚き火やテント設営の準備をします。これは自分とほかのキャンパーの命を守る、重要なポイントです。

 このため記事を見た人が、その危険性をSNS上で指摘すると、情報はまたたく間に共有され、2月9日にはいわゆる「炎上」状態に。

■ 「炎上」後の対応は?

 まず2月9日の14時過ぎ、記事に出演していたキャンプ女子YouTuber・マイキャンさんが自身のTwitterで次のようなお詫びを投稿しました。

【 お詫び 】
以下の動画、記事での撮影時の安全面に関しまして
管理されたキャンプ場の敷地内にて、安全に配慮して撮影しておりますが、一部配慮が至らないシーンがございました。
心より、お詫び申し上げます

私の配慮の至らなさで
沢山の方々にご迷惑とご不快な思いをさせてしまった事
心から申し訳なく思います。。
キャンパーとして未熟である事を自覚し、一から勉強し直します。
この度は誠に申し訳ございませんでした

 さらにその2時間半後の2月9日16時過ぎ、carview!も公式Twitterに以下のお詫びを投稿。記事と動画を削除。

【お詫び】先だって該当のYou Tube動画概要欄にも掲載をさせていただきましたが、新型キックス特別企画のキャンプシーンにおいて、一部配慮に欠けたシーンがございました。多くの方にご迷惑と不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます

 2月10日夕には改めて、株式会社カービューが「carview!における不適切な記事掲載及び動画配信に関するお詫び」と題したお知らせを発表。「撮影はキャンプ場の敷地内にて行われたものの、火気を取り扱う際の周囲確認及び焚火が延焼するリスクへの安全配慮が不足しており、本件に関わる全ての関係者の皆様及び動画視聴、記事を閲覧された方々にご迷惑と、ご不快の念をおかけしてしまいました」との言葉がつづられています。

■ アウトドアでは安全確保がなにより大事

 この記事でのロケ地は、マイキャンさんのお詫びツイートによると「管理されたキャンプ場」とのこと。通常、管理されたキャンプ場では、山火事の危険を避けるため、テントの設営が許可されたサイト内は落ち葉などは基本きれいに掃除されていますし、設営する人もまず周辺の落ち葉を取り除きます。特に今回は車の乗り入れが可能なオートサイト。テントだけたてられるサイト以上に、気を配っている場合がほとんどです。

 ところが記事の写真では、管理されたキャンプ場のオートサイトではあり得ないほど大量の落ち葉があったので、ネット上では写真の「映え」を意識して意図的に敷き詰められたものでは?という指摘がありました。

 今回問題となった記事の場合は、日産キックスのPR記事なので、キックスとテント、そして人物をセットにした写真がどうしても必要です。その意図はよく理解できるのですが、大量の落ち葉の上で焚き火をする必要はなく、そこに気づかなかったのが残念な点。

 私たち(弊社)を含め、メディアは良くも悪くも人々に与える影響が大きく、個人の勝手気ままな情報発信と違い、発信する情報については十分注意する必要があります。この件を他山の石として、特に危険が生じる恐れのある情報発信については慎重に判断するよう、私たちも考えを新たにしていきたいと思います。

<出典・引用>
carview! 公式Twitterアカウント(@carviewcojp)
株式会社カービューcarview!における不適切な記事掲載及び動画配信に関するお詫び
マイキャンさんTwitterアカウント(@mycampstyle1)
※画像はcarview! 公式Twitterアカウント、マイキャンさんTwitterアカウントからのスクリーンショットです。

(咲村珠樹)