「パイプロボ」というのをご存知でしょうか。

 その名の通り、排水管のような円筒状の管の中で動くロボットのことなんですが、あの狭い中をスルスル動くのは、なかなか難しいもの。

 そんなパイプロボを実際に動かしている動画が、先日Twitterで話題となりました。

 「パイプロボ ついにT字の登り降りも克服しましたヨ 量産にグッと近づきました!! #ロボットゆうえんち #パイプロボコン」

 そんなつぶやきとともに、動画を公開したのは、神奈川県厚木市にてロボットイベントの運営を請け負っている「ロボットゆうえんち(法人名:株式会社MANOI企画)」公式Twitter。

 本業はTV番組やCM、ロボコン用などの競技用ロボットの開発・生産・販売・運用ながら、同時に全国各地の科学館を回り、ロボットやプログラミングのセミナーも開催されており、また一般に小売りするための直営店舗も有しているロボットメーカーです。

 さて、そんなロボットゆうえんちですが「『子供たちがホビーとして楽しめる製品(ロボット)を開発して、実際に機械を操作・改造・修理することを体感する!』というコンセプトの下に開発したんです」と、今回取材に応じていただいた、代表の岡本氏も語った「パイプロボを動かしてみた」動画。

 時間にして約40秒のそれは、排水管の中に入れたパイプロボに対して、コントローラー所持者がロボを起動するシーンから始まります。

コントローラーを動かすと、排水管に入ったパイプロボが起動。

 すると、赤と黒で彩られ、独特の形状をしたパイプロボの左右に3輪ずつある車輪が動き出し、管の中をスルスルと潜り始めました。つなぎ目となる直角の排水管に差し掛かっても、特に“詰まる”ことなく、スムーズに潜り抜けます。

「つなぎ目」の直角部分もスムーズに潜り抜けます。

 そのまま順調に走行するパイプロボ。しかし今度は、逆T字形になって縦に伸びる排水管が待ち受けていました。途中に開いている穴の方へ入り、上へ進みたいようですが、これを進ませるのは難しいんじゃ……?

歩を進めると、上方向に伸びる排水管。これは進むのは難しいのでは。

 と、筆者が思ったのもつかの間、少しだけバックをし「助走」をつけたパイプロボは、両端にもついている車輪を効果的に活用しながら、まるで蛇のようにウネウネと「遡上」。先ほどと遜色ない動きで、またスルスルと登っていきます。こりゃすげえ。

しかしそれも問題なく「遡上」。

 そこからまた平面となった排水管を進んだ後、今度は逆に下向きに伸びる排水管の姿が。しかしここでも、「自由落下」するわけでなく、車体を上下左右にうねらせ、パイプの内壁にしっかりと車輪を接しながら、ゆっくりと降下していきます。

下方向に伸びる「進路」も自由落下するわけでなく走行。

 そうして、再び地面と接地したパイプロボ。ここからは、「ゴール」となる出口まで、特に問題なく、まるで「ウイニングロード」のごとく走行しました。これはロマンあふれるやつや……。

そのまま出口まで到達。これはスゴイ。

 思わず見入ってしまう動画でしたが、どうやらそれは筆者だけではなかった模様。リプライ(返信)欄では、「これは面白い、そして凄い」「すごいワクワクする」「何度も見てしまう」といった声や、「排水管の検査に利用できるのでは?」といった実用性について高く評価する意見、さらに海外からもコメントが寄せられました。

 それにしても、本当にすごい仕組み。岡本氏に話を聞いてみると、このパイプロボは、実際に排水管の検査で使用されている、ヘビ型ロボットの技術を用いて開発されたそう。また、動画内でもインパクト絶大だったM字の形状については、京都府にある学校法人「立命館大学」の有する特許を参考にしているとのこと。この先端の角度によって、T字形の分岐でも狙い通り正しい方向へロボットを誘導させることができるんですね。

 というわけで、子供向けといいながら、実は超ハイテクロボットだったりする「パイプロボ」は、「大きな」子供も魅了することに。しかし岡本氏いわく、実は動画のパイプロボに関しては、まだ未完成品で、現在絶賛改良中とのこと。

 それであの超絶クオリティだと……ゴクリ。私事ですが、幼少から科学雑誌を愛読していた筆者。その完成を、パイプロボのように首を長くして完成を待ちたいと思います。

<取材協力>
ロボットゆうえんちさん(Twitter/Instagram:@robotyuenchi)
株式会社MANOI企画(https://robotyuenchi.com/

(向山純平)