映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATORS’PROGRAM(以下、TCP)」の2016年準グランプリ受賞企画「ファインディング・ダディ」が、「マイ・ダディ」というタイトルで映画化。主演をつとめるのは今作が初の主演映画となるムロツヨシさん。2021年秋に劇場公開されることが決定しました。

 「TCP」は、カルチュア・エンタテインメントと蔦屋書店が主催し、これまでに「嘘を愛する女」や「ブルーアワーにぶっ飛ばす」など、多くの良質な作品を世に生み出してきた映像クリエイター支援プログラム。「マイ・ダディ」は今作の監督・共同脚本を務める映像作家の金井純一さんが、2016年に開催された第2回TCPで、総応募数422作品の中から準グランプリを受賞した企画です。

 金井純一さんと言えば、海外や国内の映画祭でも数々の映画賞を受賞し、脚本家・監督として高い評価を受けています。2020年には、あいみょんが作詞・作曲したDISH//の楽曲「猫」を原案にドラマ化した「猫」(テレビ東京)の監督・脚本も務め、大きな反響を呼びました。

 そして、今作で主人公・御堂一男を演じるのは役者を始めて25年、2021年で45歳を迎える俳優のムロツヨシさん。映画初主演と聞いて、「えっ!映画初主演なの?」 と驚かれる人も多いのではないでしょうか。

 それもそのはず。ムロさんは2005年に本広克行監督の「サマータイムマシン・ブルース」で映画デビューして15年、大ヒット中の「新解釈・三國志」や「銀魂」シリーズ、「50回目のファーストキス」など常連となっている福田雄一監督作品、さらに「ダンスウィズミー」(矢口史靖監督)や「最高の人生の見つけ方」(犬童一心監督)など、2021年1月時点で、累計44本の映画作品に出演しています。

 また、2018年に放送されたTBSの連続ドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」では、恋人に寄り添う健気な明るさで、これまでとは違う新たな一面を見せ、世の中の女性陣を虜に……。自ら脚本・演出・出演している舞台「muro式」も開催し、映像だけに留まらず幅広い分野で活躍を見せています。

 そんなムロさんが、台本に出会ったその日から「この世界にいたい。この人になりたい」と出演を熱望したのが「マイ・ダディ」。ムロさん演じる御堂一男は一児の父で、職業は牧師(別のアルバイトをかけもちしつつ……)。

 妻を早くに亡くし、中学生の娘とふたり暮らし。つつましくも幸せな毎日でしたが、ある日突然、最愛の娘が病気に……。さらに信じられない事実を知らされることになって翻弄され、それでもどうにかしようと動き出すひとりの父親を、ムロさんが熱演します。

 「この物語の父になりたいと思いました。この役というより、この父になりたいと」と語るムロさん。「こういう話があるんだけど、と渡された台本。2時間後に『やらせてください』と連絡していました」と舞台裏を明かしていました。

 さらに「それから数年かかってしまって、なんちゃらウィルスのため撮影も延期」と話し、「それでもここで、この映画制作のお知らせができることに、ただただ喜んでいます」と心境を述べると、「この父をやりきってきました。どうか、どうか、覚えておいてください。そして観たいという期待を持ってください」とファンにメッセージを送っていました。

 金井純一監督は、「人々の心を動かす映画を作るためには、俳優とタッグを組むことが不可欠だと思っています。今回、ムロツヨシさんとタッグを組ませていただきました。しかもムロさんにとって、この作品が映画初主演となる。この映画だけは、絶対に失敗できない。監督として尋常じゃないプレッシャーのもと、撮影に臨みました……と言いたいところですが、ムロさんのお人柄もあり、とてもいい緊張感の中で撮影ができました」と撮影を振り返っていました。

 映画のテーマは「愛」と言う金井純一監督。「脚本に4年以上かけました。最高のキャスト・スタッフで、最高の映画ができました。映画の中に、今まで見たことのないムロさんがいます。だいぶハードルを上げていますが、それを超えていける映画だと思います。『マイ・ダディ』ぜひ、期待して待っていてください」と呼びかけていました。

(c)2021「マイ・ダディ」製作委員会
情報提供:イオンエンターテイメント

(佐藤圭亮)