アメリカ空軍特殊作戦コマンド(AFSOC)に所属する第193特殊作戦航空団は、2021年1月20日にワシントンD.C.で開催される大統領就任式に際し、部隊が派遣されていることを1月17日(現地時間)に発表しました。派遣部隊は約2万5000名の州兵とともに、大統領就任式期間中における首都ワシントンD.C.での警備に従事しています。

 ペンシルベニア州ミドルタウンに拠点を置く第193特殊作戦航空団は、アメリカ空軍特殊作戦コマンド所属部隊の中でも、州兵によって構成される部隊。C-130J輸送機を改修したEC-130Jを運用し、主に電波情報に関する作戦支援などが任務になっています。

第193特殊作戦航空団が運用するEC-130J(Image:USAF)

 今回、大統領就任式典に際してワシントンD.C.に派遣されているのは、第271戦闘通信中隊。戦場で作戦遂行に不可欠な通信手段を確立し、提供する部隊です。

通信用パラボラアンテナを設置する兵士(Image:U.S. Air National Guard)

 ワシントンD.C.に派遣されている第271戦闘通信中隊のメンバーは、大統領就任式を円滑に実施するための「キャピトル・レスポンス作戦」に合流。ワシントンD.C.州兵の統合軍司令部において、ワシントンD.C.各地に配置されている部隊との通信手段の確立・提供を実施しています。

ワシントンD.C.に設置された検問(Image:U.S. Air National Guard)

 第193特殊作戦航空団が大統領就任式に際し、部隊をワシントンD.C.に派遣するのはこれが初めてのことではありません。大統領就任式は4年に1度開催される国家的行事。日本でも国家的行事の警備に全国から警察官が動員されますが、それと同じく大統領就任式でもワシントンD.C.州兵だけでなく、ペンシルベニア州兵など近隣から応援部隊が毎回動員され、第193特殊作戦航空団もその一環として参加しているのです。

兵士に警備の指示を出すアメリカ陸軍第56ストライカー大隊戦闘団司令官のジョン・ファー大佐(Image:U.S. Air National Guard)

 第193特殊作戦航空団では、このほかにも193特殊作戦支援中隊から10名の兵士が「キャピトル・レスポンス作戦」に派遣され、災害派遣にも使用されるキッチントレーラー(野外炊具車)で、作戦に従事する兵士らに温かい食事を提供。ペンシルベニア州兵からは1月7日以来、1000名以上の兵士が招集され、ワシントンD.C.で警備任務に従事しています。

<出典・引用>
アメリカ空軍第193特殊作戦航空団 ニュースリリース
ペンシルベニア州兵 ニュースリリース
Image:U.S.Air National Guard/USAF

(咲村珠樹)