大寒波の影響から、日本各地で1メートルを超える降雪が記録され、同時に降雪作業が行われています。

 しかし、曇天模様の中で行う作業には危険も伴い、特に夜間は視認性にも問題が出てくるのですが、そんな悩みを解決できるパーカーがTwitterにて紹介され、大きな反響となっています。

 「オーロラリフレクター(反射材)で夜の雪かきも安心 水滴がついてる所は、光らなくなります」

 そんなつぶやきとともに、Twitterに投稿したのは、福井県福井市にあるアパレル会社「株式会社丸仁」が展開するオリジナルブランド「LIGHTFORCE(R)」公式Twitter担当のarabo氏。福井市もまた先日の大寒波の影響を大きく受けた結果、1メートルを超える積雪量を記録しています。

 そんな中で、「除雪作業の様子を投稿しました」と語る“中の人”こと、arabo氏。しかし、よくよく見ると、作業者の着込んでいるパーカーが、まるで合成写真かのごとく、目を引くものになっているんです。

 もちろんこの写真は、合成ではありません。実はこれ、先のLIGHTFORCEが、デザイナーのthirdman氏とのコラボ商品として開発したというマウンテンパーカー。

 元は赤や紫といったスタンダードな色合いで商品展開されているんですが、生地の中に、とある原理を用いた特許後術を取り入れることにより、arabo氏が投稿したような無数の蛍光色に「発色」。これはすごい……しかし一体、なぜこのように発色するんでしょう?

 「このマウンテンパーカーですが、『再帰性反射』という光の原理を取り入れた『オーロラリフレクター生地』を使用することにより、夜間でも光をあてがうと、発色する仕組みになっています」

 と語るarabo氏。ちなみにこの再帰性反射ですが、道路標識にも取り入れられている光の反射現象のひとつ。標識の場合は、夜間に車を運転する際に、標識に向けてヘッドライトを点灯すると、反射してはっきりと視認できるようになっています。

 今回のマウンテンパーカーについても、同様の原理で「発色」されるとのこと。実際にarabo氏が今回の投稿のリプライ欄で、福井市街を“雪中行軍”している様子を動画で紹介していますが、パーカー着用者は当初は撮影者から遠方にいることもあり、パーカーの色は“原色”である赤となっています。

 ここで、「除雪作業」に取り掛かる着用者に対して撮影者が接近。すると、リフレクトした生地はみるみる“発色”。鮮やかな蛍光色になりました。これなら、除雪作業をしているとはっきり分かる!

 これには、Twitterのタイムライン上での大反響。リプライ(返信)欄では、「これは目立つ」「ゲーミング雪かき」「これはもう行政が配布してもいいくらいなんでは」「夜走る人とかもいいですね」「写真がバグったみたいに見える」といった声に加え、海外からも多くのTwitterユーザーが反応。何と7万を超えるいいねが寄せられ大反響に。

 この反響もあってか、LIGHTFORCE(R)のオフィシャルショップでは、11日18時現在、在庫が紫が残り1点のみになっています。ちなみにこちらの商品は、特殊素材(オーロラリフレクター生地)使用もあり、販売価格が65000円と、パーカーにしてはやや高価な価格。それを踏まえてのこの売れ行きぶりには、それだけ「安全」という、お金には変えられないものに対して、高く評価されているのではないでしょうか。

 そんなLIGHTFORCE(R)ですが、arabo氏が今回の投稿の流れでも紹介していたように、他にも様々な商品がラインナップ。

 マウンテンパーカー同様に、オーロラリフレクター生地を使って開発されたハットや、「実はこれが売れ筋なんです」とarabo氏が語る、人気ゲーム「ポケットモンスター」のライセンス商品などを展開しています。さらに、「ライトフォースマテリアルストア」という、生地のみを取り扱ったオンラインショップも運営。どれもサイケデリックで、非常に「映える」ものとなっています。

こうして、Twitter上に大きな話題を提供したarabo氏ですが、実は除雪作業を行っていたのは他ならぬarabo氏自身。

「除雪頑張っているアピールもこめての投稿でもあったんです」と、正直に語るarabo氏。しかしながらその結果、大きな反響となりました。

ちなみに、arabo氏の“本業”は企画営業とのこと。まさに“体を張った”Twitter上での「営業活動」により、大きく売り上げ貢献をした氏に、「中の人」のひとりとして、心からの敬意を表したいと思います。

<取材協力>
反射材広め隊@LIGHTFORCE(R)さん(Twitter:@LFS_arabo/Instagram、Facebook:@lightforcestore)
株式会社丸仁(https://light-force.jp/

(向山純平)