前日にTwitter社によって凍結されていたトランプ大統領の個人アカウント(@realDonaldTrump)が、2021年1月7日(現地時間)に解除され、トランプ大統領はツイートを再開しました。最初に投稿された動画では連邦議会に乱入したデモ隊を非難し、州兵を動員したことを明らかにしたのち、法にしたがって政権移行手続きを進めると語っています。

【日本時間1月9日更新】トランプ大統領のアカウントが永久凍結されました。米ツイッター社が1月9日朝(現地時間:1月8日)に運営ブログの「Permanent suspension of @realDonaldTrump」という投稿で発表しました。

 大統領選挙で不正が行われたと再三ツイートし、連邦上院で実施される選挙人認定手続きにおいて、議長役のペンス副大統領に対し、その主張に沿った判断を下すよう投稿していたトランプ大統領。審理が行われる1月6日に向け、首都ワシントンD.Cへの「SAVE AMERICA MARCH」というデモ行進と集会を呼びかけていました。

 これに対し、ワシントンD.C.のミュリエル・バウザー市長、クリストファー・ロドリゲス郷土安全保障・緊急事態管理庁長官は、警察と消防、そして州兵の動員を要請。ライアン・D・マッカーシー陸軍長官は、300名以上の州兵を1月5日~7日にかけて派遣することを決定しました。

 動員された州兵は、ワシントンD.C.州兵であることを示す黒いベストを識別のため着用。これはボディアーマーやタクティカルベストではなく、単純に州兵を識別するために使用されるものです。

 1月6日、ホワイトハウス前で開催された集会に登壇したトランプ大統領は、集まった支持者たちの前で「フェイクニュースを垂れ流すメディアはカメラを止めろ」と発言。自分に投票した支持者を「愛国者(Patriots)」と呼び、大統領選挙はフェイクニュースを流すメディアや急進的な民主党支持者によって不正に盗まれたものだとする従来の主張を繰り返しました。

 その上で「私は絶対に負けない。ここに集まったたくさんの人々がそれを証明している」とし、連邦上院で実施される選挙人認定手続きで、議長役となるペンス副大統領が「正しい判断」をして、自身が大統領として再選される、みんなで連邦議会へ行こうと強調しました。これにより、集会に集まった支持者たちはヒートアップ。

 集会の終了後、集まったトランプ大統領の支持者のうち、一部の暴徒化した集団が連邦議会の建物に乱入。上院での選挙人認定手続きを妨害しました。この事態を収拾する過程で4名が死亡するという、アメリカの大統領選挙史上最悪の事件となったのです。

 トランプ大統領も集会後、Twitterの個人アカウント(他に大統領公式アカウント「@POTUS」がある)において自身の主張を再度繰り返し、支持者の暴徒化を止めなかったこともあり、Twitter社は当該のツイートを表示できなくする措置を取りました。

 その後トランプ大統領は、2回にわたって議会警察や法執行機関に従い、暴力を振るわず平和的な姿勢を維持するよう呼びかけましたが、それらのツイートには支持者とそうでない人からのリプライが殺到し、収拾がつかない状態に。Twitter社はこの事態を受け、トランプ大統領の個人アカウント(@realDonaldTrump)を凍結(ロック)する措置を取りました。

 これと同様に、トランプ大統領はFacebookでも、ペンス大統領が「私たちの国と憲法を守るため正しいことをする、という勇気がなかった」とし、議会の判断を受け入れない姿勢を示しています。

 これらの投稿を受け、FacebookのザッカーバーグCEOは「このまま大統領に私たちのサービス利用を認めることはリスクが大きすぎる」と自らのFacebookに投稿。政権移行手続きが終了するまでの間、FacebookとInstagramにおけるトランプ大統領の個人アカウントをロックする、と宣言しました。2021年1月8日19時現在、Facebookにおけるトランプ大統領個人アカウントのページは閲覧可能ですが、1月7日以降の投稿は確認できません。

 個人Twitterアカウントの凍結が解除されたトランプ大統領は、ホワイトハウスで収録されたメッセージ動画を投稿。その中で暴徒化した支持者に対し「暴力と破壊をエスカレートさせたあなた方は、我々の国を代表してはいない」とし「あなた方は法を犯した。その報いを受けるべきだ」と語りました。

 そして、ヒートアップするのではなく冷静になり、元のような日常に戻ろうと呼びかけたトランプ大統領は「私はアメリカの民主主義を守る。上院は選挙結果を承認した。1月20日に向け、私はスムーズな政権移行手続きを進めることに注力する」と発言しました。あわせて「今は傷を癒やし、再建する時だ。2020年は非常に困難な状況だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、経済は大きな打撃を受け、多くの命が失われた。このパンデミックを克服し、力強い経済を再建しなければならない」とも語っています。

 メッセージの最後に、トランプ大統領は「我々は同じ国における家族だ」と語り、人々の団結を訴え、また自らの大統領としての年月は「生涯において誇るべきものだった。多くのサポートに感謝している」としています。また「残念だが、我々のとてつもない旅路はまだ始まったばかりだ」とも語っており、連載打ち切りになった漫画の最終回のように、今後に含みを持たせる内容となっています。

 この事態に対し、クリストファー・ミラー国防長官代行は1月7日に声明を発表し「昨日の議事堂における暴動は非難されるべきものであり、合衆国憲法の精神にも反するものだ」と非難するとともに、事態の収拾に当たったワシントンD.C.州兵の働きを称賛しました。そして「私と国防総省は、職務の宣誓に従って任務を遂行し、1月20日にバイデン氏が大統領として就任するまでの手続きを実行する」と言明しています。

※Facebookにおけるトランプ大統領個人アカウントの状況について、ザッカーバーグCEOによるFacebook投稿と、日本時間2021年1月8日19時時点での情報を追記しました。

<出典・引用>
ドナルド・J・トランプ大統領個人Twitterアカウント(@realDonaldTrump
ドナルド・J・トランプ大統領個人Facebookアカウント
アメリカ国防総省 プレスリリース
ワシントンD.C.州兵 ニュースリリース
ツイッター社発表「Permanent suspension of @realDonaldTrump
Image:District of Columbia National Guard/トランプ大統領個人Twitter・Facebookアカウントのスクリーンショット

(咲村珠樹)