Vシネマシリーズ「難波金融伝・ミナミの帝王」で、沢木組の沢木英雄親分役で知られる元チャンバラトリオのゆう輝哲也さんが2021年1月4日、敗血症のため79歳で亡くなりました。チャンバラトリオ時代に所属していた吉本興業から発表され、通夜・告別式は近親者のみで執り行われたとのこと。後日、お別れの会を開く予定とのことです。

 ゆう輝哲也さんは1941年生まれ。同志社大学を中退したのち東映に入社して故高倉健さんに師事し、当時人気を博していた任侠映画などの出演を経て、1968年に「ハリセン芸」の元祖であるチャンバラトリオに加入(当時の芸名は「結城哲也」)。病気療養のため休養を余儀なくされたハリセン係の「頭」こと故南方英二さんに代わり、リーダーの故山根伸介さん、ボケ役の伊吹太郎さんとともにトリオを盛り立てました。

 その後体調が回復した南方さんが復帰し、4人となっても「チャンバラトリオ」として活動。当時はメンバーの人数とグループ名の矛盾もネタにしていました。

 とある事情から1983年にチャンバラトリオを脱退したゆう輝哲也さんでしたが、1990年に復帰。しかし俳優への転向を決意し、再び脱退しました。

 俳優転向後は、かつて東映の任侠映画に出演していた経験やチャンバラトリオ時代の芸風を生かし、ヤクザ役などで好演。中でもVシネマシリーズ「難波金融伝・ミナミの帝王」では、プロデューサーとして参加するとともに、主人公・萬田銀次郎の後ろ盾的存在である沢木組の親分として出演しています。

 近年は糖尿病を患い、療養していました。なお、チャンバラトリオは2015年、リーダーの山根伸介さんから解散が発表されています。

情報提供:吉本興業ホールディングス株式会社

(咲村珠樹)