「エヴァンゲリオン」シリーズを手がけるアニメスタジオの株式会社カラーが12月28日、「『エヴァンゲリオン』シリーズのファン創作物の公開に関するガイドライン」を発表した。

 公開されたガイドラインは「ファン創作を楽しみたい方々を対象とした、創作物公開のためのガイドライン」だといい、「個人の方がファン活動としての創作物を、基本的に無償で公開するためのものです」と、個人が趣味の範囲で“基本的に無償で公開”するものが対象。商用利用については法人・個人、有償・無償問わず別途問い合わせしてほしいと冒頭より説明されている。

 ガイドラインでは、個人が発表する場合においての注意事項、約束事がわかりやすく明記されている。

 例えば、発表の場に関しては、動画配信サービスの場合、YouTube Live、Twitch、pixiv Sketch Live、ニコニコ生放送と範囲が定められ、「この場合、収益化プログラムが動作していても構いません」と明記。ただしこれには「エヴァンゲリオンのファン創作物がアカウントのメインコンテンツではないこと」という注意事項も付加されているので、実際に取り組む場合にはかならず原文に目を通して欲しい。

 他にも作品内容に関する注意事項も書かれており「本作品、または他者の気持ちや名誉、考え方などを傷つける目的のもの」といった基本的なものから、作品イメージを損ないかねない「過度に暴力的・グロテスクなもの」「ポルノ表現そのものを目的としたもの」といったものが「公開を控えてください」とされている。

 さらに昨今、二次創作界隈で問題視されている「公式作品の一部(音声、動画、静止画、文章など)を素材として利用した投稿」についても明記。公式作品の一部を使用したものは「あくまで「引用」の範囲にとどめてください」、そして「動画・音楽・音声については基本的にご利用いただけません」と、あらためて注意が呼びかけられている。

 上記紹介したガイドラインはあくまで2020年12月28日に発表された時点のもの。ガイドラインの内容は後に、変更・追加などされる場合があるので、ファン創作活動をしている方は、常に最新情報を公式ホームページで確認するよう心がけた方がいいだろう。

 また、このガイドラインの末尾では「ファンアートの販売・製品化に関するルールについても検討しています。 続報をお待ち下さい」と書かれており、今後同人誌の頒布などに関して別途詳しくガイドラインが設けられる可能性がある。エヴァンゲリオンのファンアート活動をしている人は、引き続き注視する必要があるだろう。

<参考・引用>
株式会社カラー 2020年12月28日発表「『エヴァンゲリオン』シリーズのファン創作物の公開に関するガイドライン
※画像はガイドラインページのスクリーンショットです。

※初出時より表現を一部変更しました。

(宮崎美和子)