毎年11月17日は「将棋の日」。藤井聡太二冠の活躍も手伝ってか、この日にはSNSで将棋に関する投稿が数多く見られました。その中で、将棋の駒をモチーフにした調味料入れカバー、その名も「将棋さし」というダジャレネタをTwitterに発見しました。

 将棋の日は江戸時代、江戸城内の御黒書院で年に1度、将軍の前で将棋の対局をする御前対局(御城対局)の期日が、将棋好きだった江戸幕府8代将軍吉宗の治世に旧暦11月17日と定められたことにちなみ、1975年に日本将棋連盟が制定した記念日。関西将棋会館の5階にある対局室は、その御黒書院を模した造りになっているんだとか。

 このところ、藤井聡太二冠(2020年11月20日、史上最年少で通算200勝達成)をはじめとする若手プロ棋士の活躍や、羽生善治九段の復活もあり、将棋界では話題続き。棋士が対局中に食べる「将棋めし」も注目されています。

 そんな2020年の「将棋の日」に、岡シャニカマさん(@SHANIKAMA_hrkt)がTwitterに投稿したのが「将棋さし」というダジャレグッズの画像。お察しの通り、将棋を指す人の「将棋さし」と、醤油の容器である「醤油さし」をかけたダジャレで、市販の調味料入れ(醤油さし)にかぶせて使う、将棋の駒をモチーフにしたカバーです。

 岡さんは「将棋をさすように醤油をさせる「将棋さし」。餃子の王将で使って欲しい」という言葉とともに画像をTwitterに投稿しました。

 ベタなネタではありますが、柔らかい素材で作ったら将棋グッズとしてイケそうな気がする……と思い、岡シャニカマさんにお話をうかがうと「実はこれ、まだ画像しかできてないんです」との言葉。まだ立体化していない、アイデア段階のものなんだそうです。

 岡さんは「面白くて 変なことを 考えている」をモットーに、ジャンルの枠にとらわれないアイデアをつくるWebコンテンツ制作会社、株式会社人間で、プランナー兼ライターをしている人物。SNSにおけるクソリプを実際に体験できる、読み手が読む投稿文に対し、正しいクソリプの札を取り合うという「クソリプかるた」の発案者でもあります。

 今回の「将棋さし」がネタとして誕生した経緯をうかがうと、クライアントからの要望に応じているだけだと、発想の幅が狭くなってしまう……ということから、依頼なしに様々な企画を考える「企画地獄」という自主トレをしていた中で、ふと出てきたものだったそう。プレゼンするものではないため、ひとまず画像だけでも作ってみた、ということのようです。

 岡さん、過去にも「企画地獄」をしていた時期があり、先述の「クソリプかるた」も、その時に思いついたものだったそうで、これもカプセルトイの商品にあってもいいんじゃないかなぁ……と思ってしまいます。

 ほかにも岡さんの企画では、取得できなかった有給休暇の恨み言を供養するイベント「有給浄化」や、近畿大学とコラボしたペーパークラフトのマグロ型マスクカバー「近大マスク」というのも。近大マスクは、近畿大学が完全養殖に成功した「近大マグロ」をモチーフに、頭の前後に装着すればクロマグロが頭を突き抜けているように見える……というものです。

 世の中、息抜きの合間に人生をやっているくらいがちょうどいい、という考え方もありますが、特に新型コロナウイルスで心に余裕がなくなりがちな今、必要なことなのかもしれませんね。この「将棋さし」も、どこかで商品化されないかなぁ……。

<記事化協力>
岡シャニカマさん(@SHANIKAMA_hrkt)

(咲村珠樹)