新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染リスクを避ける「新しい生活様式」が定着しつつあります。普段の買い物でも、現金決済からキャッシュレス決済へと移行した人が増えた、という調査結果がアメリカン・エキスプレスから発表されました。

 新型コロナウイルスの感染を避けるため、リモートワークを推進したり、密を避けたり、飛沫を周囲に飛ばさないようにマスクを着用したり、といった「新しい生活様式」が提唱されて半年あまり。人々も徐々に適応しつつある感じです。

 普段の買い物や外食でも、接触感染を避ける狙いから、不特定多数の人が触る現金決済から、キャッシュレス決済を利用する人も増えているようです。アメリカン・エキスプレス・インターナショナルはネットを通じ、キャッシュレス決済をしている20~60代の一般生活者男女1000名と、店舗でレジ業務をしている300名を対象に、2020年10月16日~19日のスケジュールで調査を実施。結果が発表されました。

 新型コロナウイルス禍で、会計時に不安に思うことを聞いたところ、一般生活者の50.9%が「現金の受け渡しによる感染リスク」を不安に思っていることが分かります。また、レジ業務をしている側では「現金の受け渡しによる感染リスク」を不安に思う割合が一般生活者よりも高く、58.3%にもなっています。

 普段利用している決済方法では、現金が最も多く96.7%。次いでサインや暗証番号を入力するクレジットカードが78.2%、タッチ式の交通系ICカードが55.3%、スマホでのバーコード・QRコード決済が54.4%と続きます。

 新型コロナウイルス感染症拡大を経て、普段の買い物での支払い方法に変化があったかという問いには、現金は約3割(28.4%)が「利用が減った」のに対し、QRコード・バーコードでのスマホ決済は約半数(48.0%)、またサインや暗証番号入力のクレジットカード(25.2%)や、タッチ式のクレジットカード(25.0%)は4人に1人が「利用が増えた」という回答。現金からキャッシュレスへシフトしていることが分かります。

 なお、この調査では先に「支払い時にもっともスピーディーにできるのは?」という質問を行っています。その中で多く選ばれたのが鉄道系のICカードに多い非接触型のタッチ方式(60.3%)。

 そしてキャッシュレス決済のセキュリティ面に関する質問については、様々な選択肢があるなかでタッチ式のクレジットカード(24.2%)が最も多く選ばれていました。タッチ方式はもともと鉄道系ICカードで使い慣れ、決済の素早さにも定評がありました。加えて、このごろ注目があつまりがちなセキュリティ面の不安から、従来サービスで信頼のあるクレジットカードに軍配があがったようです。

 その他、いずれかのキャッシュレス決済を利用する一般生活者1000人を対象に、普段の買い物における1日の支払い回数を聞くと、新型コロナウイルスの感染拡大以前は、現金とキャッシュレスの比率が1.18回:1.09回と現金優位だったものが、感染拡大後は0.98回:1.26回と逆転。年代別に見ると、20代(1.03回:1.00回)以外の年代では、キャッシュレス利用が現金利用を上回る結果となりました。

 個人的にも、新型コロナウイルスの感染が広がって以降、現金を使った会計が減りました。感染リスクを避けるという面もありますが、キャッシュレス決済に対応するレジが増え、しかも簡単に利用できるような仕組みが整備された、ということも大きいように思います。

 鉄道やバスでは、交通系ICカードが利用できる地域においては、きっぷがすでに少数派となっており、駅の券売機にもチャージ専用機が増えました。新型コロナウイルスという外的要因が大きいとはいえ、普段の買い物でも鉄道と同様、徐々にキャッシュレスが浸透しつつあるようです。

 なお、アメリカン・エキスプレスではカード会員における「タッチ決済」利用を促進する取り組みをセブン-イレブンやロイヤルホストなどで開始。支払い金額の20%をキャッシュバックするキャンペーンを2020年11月3日から行っています。

情報提供:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.

(咲村珠樹)