11月10日はアメリカ海兵隊の創設記念日。2020年は245回目の誕生日となりました。毎年海兵隊では、この日の前後に海兵隊の誕生を祝うバースデーケーキを作り、関係者を招いてパーティーを開きます。それと同時に、体力づくりのイベントも開催されるのが伝統です。

 アメリカ海兵隊は独立戦争中の1775年11月10日、独立宣言の8か月前に開催された大陸会議で設置が決議された「大陸海兵隊」が起源となります。組織はイギリスに存在する海兵隊を参考に、同様のものとして設置されました。

 アメリカ軍では、記念日ごとにデコレーションケーキを作るのが伝統。海兵隊も例外ではなく、創設245年を祝うケーキが各地の部隊で作られました。




 海兵隊創設記念日のケーキは、まずカットの前に服務の宣誓書を読み上げることから始まります。そして、部隊の司令官がサーベルでケーキを切り分けるのが伝統。



 切り分けられたケーキは、まず「ファーストバイト」として、その場における最年長者に進呈されます。そして次には、最も若い者へ。これは海兵隊の伝統を次の世代へ脈々と受け継いでいく、ということを示すものです。




 また、このパーティでは必ず、戦死したり任務中に行方不明となった人のための席が設けられるのも伝統。日本の陰膳(かげぜん)と同じく、その場にいなくても一緒に楽しむという精神の表われです。

 もちろん、物故者を悼む行事も行われます。アーリントン国立墓地にある、海兵隊の慰霊碑には花が捧げられました。

 これと同時に、軍人の本分である体力錬成のイベントが開催されるのも海兵隊の伝統。アリゾナ州ユマでは2マイル(約3.2km)走大会、そして沖縄のキャンプ・ハンセンでは、歩兵装備をしての5kmハイキングが実施されました。


 2020年の海兵隊創設記念日は、新型コロナウイルス感染拡大を避けるため、極力外部から人を招待しない形で実施されました。この日を楽しみにしている退役軍人(ベテラン)も多いので、来年はある程度人が集まれるようになってほしいものですね。

<出典・引用>
アメリカ海兵隊 ニュースリリース
Image:USMC

(咲村珠樹)