ハンドメイドが流行っている昨今、お薬手帳もハンドメイドでデコレーションしたり、お気に入りの飾りを付けたりするなどしてカスタマイズする人が増えているようです。

 ですが、実は薬剤師さんから見ると……。そんなツイートが話題になっています。

 「ハンドメイドのお薬手帳を受け取ると密かに警戒している」という一文とともに、薬局での出来事を漫画にしてツイッターに投稿したのは、薬剤師の鮫島うさぎさん。

 鮫島さんが働いている調剤薬局での出来事。処方箋とともに渡されたお薬手帳は表紙がラメや様々なものでデコレーションされていた模様。可愛いだけならよかったのですが……。

 表紙を飾っていた何かが取れてしまい、あわあわと慌ててしまう同僚薬剤師さん。さらに、表紙をキラキラと彩っていたラメが触った手にくっつきまくり、飾りが取れてしまうという事態に。これには同僚さんも困り顔。なにせ、手に付いたラメが他の袋や台の上などあちこちにくっついてしまうのですから。

 そんな状態を目の当たりにしてしまった鮫島さん。漫画の最後のコマでは「他の患者さんのお薬への異物混入の原因になるため、壊れやすい飾りつけはどうかお控えください」と注意を促すメッセージを込めています。

 鮫島さんは、「お薬手帳をご自身用にカスタマイズすることで、お薬手帳を大切にしていただけるなら、むしろ手作りは歓迎しております」としたうえで、取れやすいものなどを素材として使う事を避けてほしいという事です。

 お薬手帳は薬局だけでなく、かかりつけ以外の病院やクリニックでも見せるものなので、自分好みにカスタマイズして他の人にも見せたくなるような表紙にしたい、というのは分かる気がします。

 しかし、表紙を触っただけで手に付いてしまうラメや、貼り付けの強度が不十分な飾りなどは、渡された人にとってみれば困るもの。薬のダブルチェックをする時に、前回と変わりがあるかないかをお薬手帳を見ながら確認する場合、ラメを吸着しやすいポリ袋などにくっついてしまい、異物混入になり得ます。

 また、細かいラメは舞い上がりやすく、様々な薬を一つの袋にまとめる「一包化」の時や、粉薬を調合している時に舞い上がったラメが入り込む可能性もゼロとは言えません。

 この様な事が起こらないためにも、お薬手帳を自作したりデコレーションする時は、

・ シール素材などをなるべく使い、はがれないようなデコレーションにする
・ スパンコールや立体物の飾りを避ける。どうしても使いたい場合はレジンに封入して確実にはがれないように固定するなどの工夫をする
・ ラメで飾りたい時は、ラメをかけた上からラミネート加工やレジンで封入するなど、手に付かないような工夫をする
・ 以上を行ったうえで、透明カバーなどで覆って確実に取れないようにする

などといった工夫を行うと、飾りも長持ちし、誰に手渡しても安心してみてもらう事ができるようになると思います。

<記事化協力>
鮫島うさぎさん(@usagi_samejima)

(梓川みいな/正看護師)