「何たべたい?」「わかんない」

 今日もどこかの家庭で繰り広げられているであろうこの会話。お家ご飯あるあるの鉄板ネタですが、この会話を回避すべく考案されたライフハック「我が家専用のメニュー表」が、Twitterで22万ものいいね!を獲得しています。

 紹介したのは、フレンチレストランの厨房で働きつつ、絵本出版を目指してイラスト特訓中のnono inabaさん(以下、nonoさん)。料理はもともと好きだといい、夫婦間では主に料理を担当しています。

 nonoさんがTwitterに投稿したのは4枚の画像。そこには手書きのメニューに、特訓中だというイラストの腕をいかしたカワイイ料理の絵が描かれています。

 表紙にはまず「Grand Menu」という文字とともに、「シェフの気まぐれで食材が変更される場合があります」「配膳は協力制となっております」という注意書きも添えられていました。

 そして、メニューを開くと和食にはじまり、小鉢、中華、多国籍ご飯もの、丼ぶり、洋食、サイドメニュー(おつまみ)と、まるで本物のレストランみたいに料理のジャンルがずらり。Twitterには投稿できる画像枚数の都合で載せていないパスタ、麺類、軽食のページもあわせると150種ほどのメニューが掲載されているそうです。


 我が家専用のメニュー表を作ったきっかけは、新型コロナウイルス感染症の影響からの自宅自粛期間。

 夫の高田さんは在宅ワークとなり、nonoさんは休職となってしまったため、二人で家にいる時間が増えている時だったそうです。外出自粛ということもあって外食もできず、昼食を作ったとおもったら、夕食のメニューを考え……という生活に。

 「もう1日中食事のことを考えている状態に嫌気がさしました(笑)」とnonoさんは、当時について筆者に語っています。

 そこで高田さんに冒頭のような質問をすると、予想通り「わからない」という回答。「それは当然だよなー、お腹空いてないときに聞かれてもわかんないよなー」と考え、もしこれが何を食べられるか可視化できれば「“何を食べるかかんがえる”から“何を食べるか選ぶ”になって、もっと楽なんじゃないかな」と閃いたそうです。

 こうして誕生したのが、我が家専用のメニュー表。高田さんのお気に入りメニューは今のところ「青椒肉絲とガパオライスとゴーヤチャンプルー」だといいますが、nonoさんの話では今後も季節メニューや、イベント用スペシャルメニュー、お菓子作りも好きとのことでスイーツの欄を順次追加していく予定だそうです。

 ちなみに、料理は主にnonoさんが担当していますが、お話を聞いてみると夫の高田さんもできるときには作ってくれるのだそうです。

 高田さんnonoさん夫婦は、結婚してもうすぐ3年。結婚してすぐのころに高田さん発案で「(家のことは)できるときにできる方がやる」というルールを決めて生活しているそうです。

 なぜなら、役割を決めちゃうと「やってもらって当然」、そしてやらないと「なんでやらないの」という不満に繋がってしまうからだそうです。してもらったらきちんと相手に感謝する、その思いを大切にするために、このルールが設けられました。もちろん、nonoさんもこの考え方には大賛成。

 「基本は私が料理するけど、役割分担で決められた訳じゃないから『やって当然』にはならない」と語っています。

 というわけで、高田さんもときどき料理をしてくれるそうなのですが……実は、高田さんは、ジャズピアノの独学用レッスンを教えるWEBサイト「一番やさしいジャズピアノ独学講座」やYoutubeチャンネルを運営している、nonoさんと似たアーティストタイプ。

 料理の仕事をするnonoさんに教わることなく、本をみたりネットで調べたりして一人コツコツ独学で作ってくれるそうです。

 作るメニューも最初はカレーや野菜炒めだったものが、近ごろでは少しずつ「パエリアとかボルシチとか、お洒落な料理に挑戦しています(笑)」というお話し。

 少し気になったので、高田さんに料理を教えたりはしないんですか?と聞いてみると、nonoさんは「先にこれやっとくと楽だよーとか、こうやって切ったほうが味が染み込むよーとか、そういう口出しはしたくなっちゃうのですが、嫌がられるので……(笑)」と、高田さんの気質をわかったうえで、あえて口出しはしないそうです。

 「できるときにできる方がやる」と同じく、「やってもらうときは、完全に任せる」というのも、お二人の夫婦円満の秘訣なのかもしれませんね。

<記事化協力>
nono inabaさん(@inaba_nono)

(宮崎美和子)