アメリカ海軍は2020年7月30日(現地時間)、海軍の公式eスポーツチーム「Goats & Glory」が7月31日より、動画ストリーミングサービス「Twitch」でのライブ配信を再開すると発表しました。先週に配信を一時中断していましたが、Twitchや海軍の内規を再確認し、完全に適合した形で配信を再開するといいます。

 世界中で盛んになっているeスポーツ。日本でも様々なプロのeスポーツチームが存在しますが、軍が公式に運営しているeスポーツチームもあります。

 軍が運営し、軍人が選手として所属する公式eスポーツチームでは、イギリス空軍の例がレースゲームなどの活躍で知られていますが、アメリカ海軍にも公式eスポーツチーム「Goats & Glory」が存在します。

 2020年に正式発足した「Goats & Glory」。チーム名の由来となっているのは、1893年から海軍士官学校のマスコットとなっている、ビルという名のヤギ(Bill the Goat)です。

 チームのメンバーは、現役の海軍軍人から10名のトップゲーマーがまず選抜されました。下士官兵だけでなく、中には戦闘機パイロットとして実戦経験を持つ大尉といった士官も顔を揃えます。

 アメリカ海軍がeスポーツチームを創設した理由は、フライトデモンストレーションチームの「ブルーエンジェルズ」と同じく、海軍の広報親善大使というもの。eスポーツを通じてアメリカ海軍を広報するとともに、軍務の傍らeスポーツ選手として活動できる、という多様な軍での働き方を示し、幅広い層に海軍をアピールする、という訳です。

 eスポーツ選手として、大会への出場とともに活動の柱となっているのが、ストリーミングでのゲーム配信。「Goats & Glory」では、2020年4月からゲームユーザーの利用率が高いストリーミングサービス「Twitch」にチャンネル登録し、毎週月曜~土曜に様々なゲームのプレイをライブ配信してきました。

 いったん配信を中止したのは、Twitchの内規や海軍の規則にライブ配信が合致しているかを再確認する為だった、とのこと。Twitchはストリーミング配信のプラットフォームであると同時に、SNS的な側面を持っているため、より慎重に再検討して活動の基準を作った、ということのようです。

 これまでのライブ配信では、主に「Call of Duty」や「VAROLANT」、「Escape From Tarcov」「League of Legends」「FORTNITE」といったタイトルのプレイを配信してきたGoats & Glory。チームメンバーは、ユーザーからの海軍での経験についての質問にも答えています。もし海軍に入りたいという反応があった場合には、会話をプライベートメッセージに移し、相手が17歳以上であることを確認してから、海軍の募集窓口を紹介するとのことです。

 海軍は「Goats & Glory」を直接募集窓口にするつもりはなく、本格的なeスポーツチームとして大会に出場するなど、積極的にeスポーツコミュニティの一員となることを望んでいるとのこと。コンベンションやイベントへの参加も検討しているそうです。

 復活する「Goats & Glory」のTwitchライブ配信。最初にプレイするタイトルは何になるのでしょうか。Twitchの「AmericasNavy」チャンネルに注目です。

<出典・引用>
アメリカ海軍 プレスリリース
Image:U.S.Navy(見出し画像はYouTubeの「Goats & Glory」紹介動画、またeスポーツチーム公式サイトからのスクリーンショットです)

(咲村珠樹)