アメリカ国防総省傘下の諜報機関、アメリカ国家偵察局はアメリカ東部時間の2020年7月15日9時46分、バージニア州のNASAワロップス飛行施設から偵察衛星を打ち上げ、成功させたと発表しました。相乗り衛星を除いて、アメリカ国家偵察局の人工衛星がNASAワロップス飛行施設から打ち上げられるのは、これが初めてのことです。

 今回の打ち上げミッションは、アメリカ国家偵察局(NRO)とアメリカ宇宙軍による「NROL-129(NRO Launch-129)」と呼ばれるもの。2019年に実施された打ち上げに関する競争入札には8社が参加し、ノースロップ・グラマンのミノタウロスIVロケットが採用されました。

 ミノタウロスIVは、2005年に退役したアメリカのICBM、LGM-118ピースキーパーを再利用して開発された衛星打ち上げ用ロケット。1段目から3段目まではピースキーパーの固体燃料ロケットを再利用し、4段目にノースロップ・グラマンのオライオン38固体燃料ロケットを組み合わせ、低軌道(LEO)へ最大4000ポンド(約1.8トン)の打ち上げ能力を持っています。

 アメリカ国家偵察局のディレクタ、クリス・スコリーゼ博士(NASA出身)は、打ち上げ成功を受け「今回のNROL-129は、国家偵察局と産業界のパートナーが協力して設計・製造し、打ち上げから衛星運用までを担うもので、国家と我々の同盟国に革命的な能力をもたらしてくれることでしょう。2020年に直面している様々な課題にもかかわらず、我々は離れた環境でもパートナーと協力するため、新たな良い方法を探って我々の使命を全うし、敵対勢力に我が世の春を謳歌させないよう努力してきました。

 NASAやノースロップ・グラマン、バージニア・スペース、宇宙ミサイルシステムセンター、そしてもちろん国家偵察局のみんなが一体となって、今回の打ち上げ成功に導いてくれたことに感謝します」とのコメントを発表しています。

 今回で、ミノタウロスのシリーズ全体では27回目の打ち上げ成功。ミノタウロスIVロケットとしては7回目の打ち上げミッションを成功させたことになります。

 ノースロップ・グラマンのロケット部門ディレクタ、カート・エバリー氏は「ミノタウロスのシリーズ誕生20周年の記念すべき年に、今回で27回連続の打ち上げ成功となりました。この打ち上げ成功の軌跡は、顧客の要望に応じてどこからでも打ち上げ可能という、ミノタウロスの柔軟な能力の賜物です」というコメントを発表しました。

 アメリカ国家偵察局では、次回の衛星打ち上げを2020年8月に予定しています。NROL-44と呼ばれる次回の打ち上げミッションは、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から実施されることになっています。

<出典・引用>
アメリカ国家偵察局 ニュースリリース
ノースロップ・グラマン ニュースリリース
Image:USAF/Northrop Grumman

(咲村珠樹)