イギリスのベン・ウォレス国防大臣は2020年7月15日、バーチャルで開催された「2020 エア&スペース・パワー会議」において、無人偵察機MQ-9の後継機プロテクターの第1期分、3機を総額6500万ポンド(約87億円)で発注したと明らかにしました。プロテクターは、日本の海上保安庁が導入を計画しているシーガーディアンと同じく、MQ-9の派生型です。

 プロテクターは、ゼネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)の無人偵察機MQ-9リーパーをベースに、イギリスの要求仕様を加えて共同開発したもの。正式な名称は「プロテクターRG Mk1」となります。

 ウォレス国防大臣は「イギリスは再び防衛技術の世界的リーダーになります。プロテクターは空軍に世界規模の活動範囲を提供し、今後数十年にわたってイギリスの防衛およびセキュリティのニーズに対応するとともに、軍における無人機勢力を強化します」と述べ、現用のMQ-9を超える能力に期待を示しました。

 プロテクターは40時間もの滞空時間で広範囲の偵察ができるほか、空対地ミサイルのブリムストーンや、レーザー誘導爆弾による攻撃も可能。近接航空支援任務にも対応できるのはMQ-9と同じです。

 イギリスではトータルで16機のプロテクターと、4セットの地上コントロールステーションを導入する予定で、今回発注した3機はその第1期分となります。プロテクターの1号機は2021年にも引き渡されることになっており、就役は2024年の中頃となる見込みです。

<出典・引用>
イギリス国防省 ニュースリリース
GA-ASI プレスリリース
Image:GA-ASI

(咲村珠樹)