エアバスは2020年7月1日(現地時間)、新型ヘリコプターH160が欧州航空安全機関(EASA)の型式証明を取得したと発表しました。エアバスでは、アメリカ連邦航空局(FAA)の型式証明も近いうちに取得できるとの見込みで、今年中に最初の顧客に機体を引き渡せるとしています。

 エアバスH160は、SA360から始まる「ドーファン」シリーズ(AS365/EC155)を置き換える新型の双発中型ヘリコプター。手頃な機体サイズとエンジン出力のため、これまでのドーファン同様、警察や消防などの官公庁や、民間企業にも幅広いユーザーが期待できるモデルです。


 H160の型式証明取得について、EASAのレイチェル・デーシュラー審査官は「この数年間、EASAとエアバス・ヘリコプターの技術陣による驚くべき働きと、協力精神によって達成されたものです。最高レベルの安全基準に適合するよう、徹底的に設計と試験が実施された結果です。あらゆる用途にH160は適合しています。また、このクラスで最も燃費性能が良く、静粛性に優れたヘリコプターの1つでもあります」と、性能に太鼓判を押すコメントを発表しています。

 エアバス・ヘリコプターのブルーノ・エベンCEOは「H160がEASAの型式認証を取得したことを誇りに思います。何年もの間、サポート企業とともに設計や生産設備の構築、エコシステムの確立に努力した結果であると同時に、この次世代のヘリコプターを現実のものとするべく、力を注いでくれたすべての皆さんに感謝します。H160が世界中のカスタマーのもとでサービスを開始し、その革新的な機能と快適性、安全性を発揮することを楽しみにしています」とのコメントを発表しました。

 H160は官民の用途だけでなく、フランス軍が統一して運用する汎用ヘリコプター「ゲパール」のベースにもなるモデル。ヨーロッパでの型式証明を取得し、さらに近い将来アメリカでの型式証明を取得すれば、フランスの軍用ヘリコプター開発計画も加速していきそうです。

<出典・引用>
エアバス ニュースリリース
Image:Airbus

(咲村珠樹)