ロッテの「パイの実」といえば、一口サイズの小さなパイの中にチョコレートが入ったお馴染みのお菓子。1979年発売というロングセラーです。パイの「実」という商品名の通り、パッケージは伝統的に木や森をモチーフにしたデザインなのですが、先日こんな疑問が編集部のご意見窓口に届きました。

 「パイの実のパッケージにある森の中の建物は何」

 言われてみたら確かに何だろう……。しかしこれは……、読者からのネタのご提供なのか、それともロッテさんと問い合わせ窓口を間違えたのか……。色々考えたのですが、筆者たちも建物の意味が気になったので、問い合わせをくださった読者(?)のかわりにロッテ広報さんに聞いてみました。

 1979年の発売以来、40年以上にわたって親しまれているロッテ「パイの実」。ある程度以上の年代の方には、郷ひろみさんが「パイのパイのパイ」の別名で知られる大正時代の流行歌「東京節(原曲はアメリカ南北戦争時の行進曲「Marching Through Georgia」)」の替え歌で「う~まかったらギッチョンチョンでパーイのパイの実!」と歌っていたCMを覚えているのではないでしょうか。

 パイの実は、実を焼くとパンのような風味がする熱帯植物のパンノキ(パンの木)をモチーフにして生まれたお菓子なんだとか。そのためパッケージデザインも、パイの実がなる「パイの木」というイメージで、木や森が描かれるものになっているそうです。


 木の方は納得なのですが、必ずパッケージの真ん中付近に描かれている小さな建物はやはり何なのか。

 株式会社ロッテ広報課からいただいた回答は「それは『パイの実ファクトリー』です」とのこと。あの建物の中で、パイの実が焼かれているというんです。パイを焼いているのは、同じくパッケージに描かれているリス。

 パイの実のパッケージには、森の中にある小さな「パイの実ファクトリー」でリスたちがパイを焼いている、というストーリーが隠されていたのでした。確かに、描かれた建物をよく見ると、お店のような姿をしているのが分かります。パッケージ左側のリスがカゴにチョコレートを入れているのは、パイの実の材料だったんですね。

 パイの実公式サイトでは、パイの実ファクトリーでパイを焼いているリスたちと、森に住む動物のエピソードを紹介した「パイの実ファクトリーの小さな物語」というコンテンツ(絵物語)も公開されています。筆者もこれからは、リスたちが作っているということを想像しながら、食べてみようと思います。

<記事化協力・画像提供>
株式会社ロッテ

(咲村珠樹)