世界最大級の屋内型ミニチュア・テーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」が2020年6月11日、東京の有明にオープンします。80分の1スケールで作り込まれた街並みには、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の第3新東京市や「美少女戦士セーラームーン」の麻布十番なども。オープンを前にしたプレス内覧会に行ってきました。

 SMALL WORLDS TOKYOは東京の臨海副都心、有明テニスの森の向かい側に位置する屋内型ミニチュア・テーマパーク。新交通ゆりかもめの「有明テニスの森」駅から徒歩3分程度の場所にあります。

 メインフロアの「スモールワールズ」は、屋内型のミニチュア・テーマパークとしては世界最大級の約8000平方メートルの広さを誇ります。ドイツのハンブルクにある、世界的に有名な「Miniatur Wunderland(ミニチュア・ウンターラント)」より1000平方メートル以上広いフロアは、全部で6つのエリアで構成されています。

 1970年代初頭のアポロ計画時代と未来の宇宙センター、2つが同じ空間に存在する「宇宙センター」エリアでは、NASAのケネディ宇宙センターをモデルにしたロケット組立棟(VAB)からサターンVロケットが発射施設まで移動し、打ち上げられる様子が30分ごとに見られます。

 移動式の発射台に載せられたサターンVは、およそ5分かけて発射施設まで移動。カウントダウンから、ロケットが上昇していきます。


 建物内部には発射管制室なども再現。また、ケネディ宇宙センター名物のワニなども隠れていて、分かる人にはクスリとする仕掛けも満載です。80分の1スケールでは、人物はおよそ2センチなので、細かい場所を見る際にはオペラグラスなどを持っていくといいかもしれません。



 ロケットの展示コーナーでは、NASA初の有人宇宙プログラムで使われたマーキュリー・アトラス、続くジェミニ計画で使われたジェミニ・タイタン、そしてアポロ計画でのサターンVと月着陸船(LM)のほか、欧州宇宙機関(ESA)のアリアン5ロケットが並びます。マーキュリー・アトラスに記された機体番号108Dは、実際には打ち上げられていないもの(次の109Dはジョン・グレンが搭乗し初の軌道周回飛行に成功した機体)。


 アニメ「マクロス」シリーズの河森正治監督がプロデュースする、未来の宇宙センターは現在制作作業中。中には、アニメ「マクロス7」に出てきた宇宙移民船マクロス7を思わせるようなドームも作られています。新しい変型ロボットも登場するとか。


 第1次産業革命時代のアジアやヨーロッパをモチーフとした、ファンタジーとスチームパンクが融合した世界が楽しめる「世界の街エリア」。アジアの街は中国の上海と香港をモチーフにしています。








 ドラゴンと暮らす村では、まるでゲームのシーンを見ているような雰囲気。グリーンに光る結晶を採掘する鉱山などもあります。




 関西国際空港をモデルにしたエリアでは、広々とした空港を発着する飛行機の姿を見ることができます。ターミナルビルの内部も再現。




 武内直子さん原作のアニメ「美少女戦士セーラームーン」の世界を再現したエリアでは、作品の舞台となった1990年代の麻布十番(アニメ版では十番町)をリアルに再現。有名なたい焼き屋さんや薬局など、一部には実在するお店の1990年代当時の姿も目にすることができます。



 街並みには普段のセーラー戦士の姿も見つけることができます。火川神社には火野レイが。ほかのキャラクターたちがどこに隠れているか、探してみてください。

 また、ゲームセンター「クラウン」地下にあるセーラー戦士の基地も再現。ゲームセンター店内にはバイクの体感ゲームなど、当時を知る人には懐かしいゲーム筐体が並んでいます。


 ここでは30分ごとに「クリスタル・トーキョー」のショーが見られます。青く輝くクリスタルの東京が幻想的。

 アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の世界を再現したエリアでは、NERV本部のエヴァンゲリオン格納庫を再現。およそ6分ごとに、零号機、初号機、2号機が射出されていく様子を見ることができます。


 広々とした第3新東京市の様子を再現したエリアでは、新強羅駅や中学校などの旧市街地、そして国連軍基地などを見ることができます。中学校のプールでは、ペンペンがお昼寝中。綾波レイの居室も再現されています。




 使徒襲来にともなう非常事態宣言時を再現した、街並みの昇降もおよそ10分ごとに繰り返されます。元箱根児童公園の第3砲台や、800mm列車砲といった武装も再現。



 館内2階のレストラン「WHITE ART」では、元都内有名ホテルの料理長と宴会料理長のコンビが生み出す料理が楽しめます。貸し切りパーティーなどのイベントも可能だとか。

 このSMALL WORLDS TOKYOは、どんどん新しいミニチュア世界が生まれ、それと同時に各地へ拡大していくシステムとなっているため、来場するごとの楽しみも兼ね備えているのも魅力。2020年には東京のほか、沖縄でも開業を予定しており、さらに将来は国外にも展開する予定だとか。新しいものと入れ替わったミニチュア世界は、また別の場所に移転することになるので、お気に入りのミニチュア世界を見に、現地まで旅行するという楽しみもあります。

 公式サイトのほか、ローソンチケットで販売されるSMALL WORLDS TOKYOのチケットは、ミニチュア世界への「パスポート」となっています。大人2700円(税込)、中高生1900円(税込)、4〜11歳1500円(税込)の一般パスポートのほか、バックヤードも見学できるパスポート(大人5600円・中高生4800円・4〜11歳4400円/いずれも税込)や、年間パスポート(大人9800円・中高生7600円・4〜11歳5900円/いずれも税込)も用意されています。


 SMALL WORLDS TOKYOでは、実際に来場者自身が80分の1スケールのフィギュアになり、ミニチュア世界に「住む」ことが可能な「住民権付きフィギュアプログラム」があるのも特徴。3Dスキャナを使って取り込んだデータからフィギュアを作り、好きな街並みの中に1年間設置することができるというもので、設置用と持ち帰り用2体のフィギュアと年間パスポートなどがセットになっています。設置するエリア、年齢により価格が異なるので、詳しくはSMALL WORLDS TOKYO公式サイトで確認してください。

※初出時、武内直子さんの字を誤っておりました。お詫びして訂正いたします。

(C) Khara
(C) Naoko Takeuchi
取材協力・一部画像提供:SMALL WORLDS

(取材・撮影:咲村珠樹)