同人サークルと聞くと二次創作の漫画というイメージが強いかもしれませんが、他にもオリジナルの創作分野や個人の研究成果の発表、グッズ作成とジャンルは色々あります。今回は「ダイスからキーケース」まで様々なグッズを作成する、「ゆる夢工房」のゆる夢ポンさんに同人活動について話を伺いました。

【ゆる夢ポンさんインタビュー】

 --今回は「ゆる夢工房」さんにお話をお聞きしようと思います。よろしくお願いします。

(ゆる夢ポンさん)
 こちらこそよろしくお願いします!

■TRPGの夢を具現化?様々なグッズを作っているゆる夢ポンさんの主な創作活動

 --早速ですが、同人サークルの主な活動をお願いします。

(ゆる夢ポンさん)
 ゆる夢工房は、ゆるゆると夢を具現化する工房という目標を掲げて、主にクトゥフル神話TRPG(Call of Cthulhu=「クトゥルフの呼び声」。H.P.ラヴクラフトの幻想小説をモチーフにしたアメリカ・ケイオシアム社のTRPG)を中心としたダイスタワーや巾着、缶バッチといったグッズを制作しているサークルになります。

■同人活動をはじめたきっかけ

 --同人活動をはじめたきっかけは何でしょうか?私は2013年位に四国祭(東方四国祭※)で見かけてから追ってはいたのですが、それより前は詳しくなくて……
※東方四国祭とは……東方Project作品に関する同人誌即売会。

(ゆる夢ポンさん)
 そんな古くからw本格的に始めたのは、その頃から活動していましたが、もっとたどれば学生の頃からやっていましたね!

 学生時代はあまりに古いので、四国祭あたりで、やっぱり自分が作った物を人に見て欲しいと思ったことと、単純にどの位反応があるのかを知りたくて、始めましたね。色んな事にチャレンジしたいお年頃でした。

 --私も学生時代から同人やっていたからわかります。

(ゆる夢ポンさん)
 あと、イベントに参加すれば神絵師になれると錯覚してました(遠い目

 --分かってしまうのが恐い(白目

(ゆる夢ポンさん)
 まぁ……現実はそんなにあまくないという……そこに気が付いたから、グッズを作るようになったように思いますねw

 --諏訪子のロックグラス当時買いましたが、あれは良い物だ(東方Projectの二次創作)

(ゆる夢ポンさん)
 な……な……なんだって!!これまた懐かしい!あの当時は本当に東方にどっぷりだったので私もグッズや本を買ったり作ったりしてました。

■世界観を壊さず、実用性のある物を作る。

 --そんな東方ジャンルから今現在は、TRPG関連に移っていった状態だと思いますが、現在活動で気をつけている事はございますでしょうか

(ゆる夢ポンさん)
 これと言って気を付けていることは、あまりないのですが、イラストを描くときは、邪神や神話生物の特徴なんかは良く読み込んで、描くようには気を付けています。どうしても、私の絵柄ではゆるくなって、おどろおどろしい世界観を壊しているので、せめてそのキャラクターの特徴なんかは、ある程度忠実に描きたいと努力はしています。グッズに関しては、実用性の高いものを作ろうという努力はしています。

 --確かに、カウンターとかダイスタワー、キーケースは実用性あって使いやすかったですね。

(ゆる夢ポンさん)
 せっかく手に取ってもらえるのに、ただの置物にはしてほしくはなかったという気持ちが……使い倒して壊れたよ!!と言ってもらえる方が個人的には嬉しいですね

 --なるほど。分かります。ダイスタワーは使って結構経ちますが、かなり丈夫で普通に使ってる分だとそうそう壊れないかなぁと

■きっかけは誕生日プレゼント!ダイスタワーの制作

(ゆる夢ポンさん)
 ダイスタワーに関しては、ジャンルを移ってからずっと出しているものなので、とても思い入れがありますね。色んな方の協力があって出来たものなので!

 --そのお話、気になります!

(ゆる夢ポンさん)
 最初は、友人の誕生日プレゼント用で作り始めたのが最初だったんですよ。図面を引くのも初めてで、イラストレーターを使うのも初めてでしたね……そこから1か月ぐらい画面とにらめっこをして引いて、当時から仲良くさせてもらっている元墓石屋さんに図面を持ち込んで、レーザーカッターと刻印をしてもらいました……。愛媛で初めての大型レーザー機械を入れると聞いて入ったその日に、持ち込みました(遠い目

 そこから、プレゼントが出来て渡して使い勝手なんかを聞いて、評判がよかったので作ろう!と思ったら、最初はアクリルで作っていたんですが……単価が高かったので、木に変更して作ったんですがうまくいかず。まわりの人(職場の詳しい人とか、友人知人)を巻き込んで、改善策を出してようやく出来た感じでした(遠い目

 今思えば、大したことのない事だったのですが、当時の私には、とても未知過ぎて大変でした。私の場合本当にまわりに恵まれていると思います。今でも。

 --同人活動してると周りの環境でも大分変わりますからねぇ…… ゆる夢さんの売り子が生き生きしているのを見てるだけで仲が良いなぁとは思って挨拶に行ってますw

(ゆる夢ポンさん)
 売り子さんたちも実は、もう10年ぐらいのお付き合いをさせてもらってて、私のダメな所を知っているので、ビシバシ鍛えてもらってます!本当に良い人たちに出会えました!自分よりも全然動いてもらってるんで、いなくてもいいかな?自分って思って毎度参加してますw

 --ゆる夢ポンさんが居てのサークルですからそこは居てくださいw 少し話が重複してしまうのですが。活動をして良かったことと辛かったことはございますか?

(ゆる夢ポンさん)
 活動してよかったことは、やっぱりたくさんの方との出会いがあった事と、自分の好きな物が作れる楽しさと、それに対する生の反応(作品に関する感想)が聞けた事は、やってて良かったし、やらないと得られない感覚だなとも思います。本当にやってて良かった!!!!

 辛かった事は……作品を生み出す過程ですかね。本当にアイデアをひねり出すのも、それを形にするのも辛く苦しいですね。そして、一番辛いのは、アイデア出て作ってる過程で、別サークルさんとアイデアが丸被りしてた時は本当に……。変な所負けず嫌いなんで、極力人と被りたくない精神で、8割完成してたものを没にしたこともありました(涙

 ただし産み落とした瞬間は快感ですけどね!!!

 --内容被って没にしたのは確かに……私もグッズ系なので経験が……それが隣のサークルとか同じ島だったときにはあぁぁぁぁってなります。

(ゆる夢ポンさん)
 別にパクったりしたわけではないのだけども!!でも!!ってなりますよね……。

 --その分の出したときの快感も分かります。そして見に来てくれた方の感想もあると更に

(ゆる夢ポンさん)
 感想なんかは本当にうれしいですね!本とは違ってあんまり、感想もらう事少ない気がしますし……次のやる気につながりますね!

■現在は動画配信の活動も

 --グッズだと確かに感想は少ないですからねぇ 感想と言えば、動画配信もされている様で感想とかも比較的すぐに来る様になったのでは?

(ゆる夢ポンさん)
 お恥かしいながら、最近ほぼ趣味のVチューバーやらせてもらってますが……私の動画の場合は、再生数という面で、あっ!誰か見てくれてる……ありがたい!というぐらいのゆるい心持ちなので、精神的に嬉しいですね!たまにコメントも入っている時もあるので、日頃の反応を考えれば、直接言ってもらえるので良きツールだなと思っています。恥ずかしいですが

 --ペイント動画は観ていて楽しかったです。創作意欲がわいてきました。

(ゆる夢ポンさん)
 ペイント配信動画は結構出している動画では、人気で作業用として見てる方多いみたいです。私も人が作業しているのを見ると創作意欲湧くので好きです!定期的に配信していきたいとは思っています。

 --仕事の時間と重なってリアルタイムでは観れないのですが、観ながら私も作業しています。がんばってくださいb

(ゆる夢ポンさん)
 ありがとうございます!頑張ります!

■これから創作をする人へ

 --では最後に、今後同人活動をする人、しようとする人にアドバイス等はありますでしょうか?

(ゆる夢ポンさん)
 アドバイスとは、少しおこがましいのですが、まずやりたい!と思ったら今その時が始め時なのかなって思います。物づくりは、体力や精神力を使うので、早いうちやった方がいいです!やらない後悔よりやる後悔!と始める前から後悔前提で申し訳ないのですが……。きっとなかなか踏み出せない人も多いと思うので、是非自分の欲望のままに始めてみてもいいんじゃないでしょうか!という熱いコメントを言いつつ、実際私は、とってもゆっくりのんびり活動してきたので、楽しくやるのが一番です!楽しいから同人沼にハマりにおいで……。

 今回は、実用性のあるグッズをたくさん作られているサークル「ゆる夢工房」の紹介でした。使いやすいダイスタワーから、かわいい缶バッジ、最近はVtuberと幅広く活動されていて、とても素晴らしいサークルさんです。Youtubeのペイント動画は必見ですので是非観てみてください。

<取材協力>
ゆる夢ポンさん(Twitter:@yuruyume/HP:https://yuruyumeponkiti.wixsite.com/yuruyumepon

(戦魂)