1957年から毎年発表され、これまでに多くの優れたデザインが受賞してきたグッドデザイン賞のうち、長年愛用されているものが対象の「ロングライフデザイン賞」では、抽選で過去の受賞アイテムが当たる、一般ユーザー推薦を2020年5月23日まで推薦を受付中です。

 世の中にあふれている商品は、すべて誰かがデザインしたもの。1957年に通産省(当時)が創設したグッドデザイン商品選定制度に始まり、現在は公益財団法人日本デザイン振興会が運営する「グッドデザイン賞」は、デザインによって人々の暮らしや社会をより良いものにしていくための活動。デザインの優劣を競うコンペではなく、選出に際しての審査を通じて新たな発見をし、社会と共有することで、次のデザインの創造へと繋げていく取り組みとなっています。

 受賞の証となる「Gマーク」は、1964年東京オリンピックのポスターとエンブレム、1970年日本万国博覧会のポスター、NTT(日本電信電話株式会社)のマークなどのデザインで知られる亀倉雄策によるもの。亀倉雄策はグラフィックデザインだけでなく、1959年に発売された35mm一眼レフカメラ、ニコンF(1966年度グッドデザイン賞)の意匠やパッケージ(外箱)、ポスターまでをトータルデザインした、日本におけるプロダクトデザインの草分けでもあります。

 グッドデザイン賞は毎年、翌年の3月31日までにユーザーが購入、または利用することができ、その年の10月1日に行なわれる受賞発表に公表が可能な、商品、建築、アプリケーション・ソフトウェア、コンテンツ、プロジェクト、サービス・システムなどが対象となります。

 ちなみに、筆者が取材で使用しているカメラ機材もグッドデザイン賞を受賞している製品。変わったところでは、2000年度に現代アートユニットの「明和電機」が、生きた人間(とそのプロジェクト)として、史上初めてグッドデザイン賞を受賞しています。

 提供する側、生み出す側からの応募で審査される通常の部門と違い、長年にわたって愛用されている商品やサービスなどを対象とした「ロングライフデザイン部門」は、この中で唯一ユーザー側からの推薦を受け付けているもの。2018年度には、アニメの「機動戦士ガンダム」シリーズ全体が「ロングライフデザイン賞」を受賞しています。

 対象となるのは、10年以上にわたって継続的に提供され、またそれ以降も継続して提供されると想定できる商品や建築、サービス。これには、愛用しているユーザーや生活者からの支持(推薦)が不可欠ですよね。

 推薦の受付は4月2日から始まっており、一般ユーザーからの推薦締め切りは5月23日。推薦した人の中から抽選で10名に、これまでにロングライフデザイン賞を受賞した商品などをプレゼントするキャンペーンも実施しています。

 お気に入りの商品やサービスを推薦し、グッドデザイン賞に選んでもらうチャンス。推薦は、グッドデザイン賞公式サイトの「ロングライフデザイン賞」ページにあるユーザー推薦フォームから受け付けています。

情報提供:公益社団法人日本デザイン振興会

(咲村珠樹)