ボーイングは2020年4月27日(現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大にともなって4月8日から停止していた、サウスカロライナ州の787生産ラインを5月3日から再開させると発表しました。準備作業のため、役員らは4月30日、5月1日から復帰するとしています。

 アメリカで新型コロナウイルスの感染が拡大し、その流れを食い止めるため在宅勤務が推進された影響で、製造業は一部を除いて生産ラインがストップしています。ボーイングでも従業員に感染者が出たことをきっかけに、2020年4月8日に業務の停止を決定。飛行機の生産ラインも一時停止しました。

 ボーイングの発表によると、工場長が従業員に対し、生産ラインでの業務に復帰するかどうか、復帰する場合はその勤務シフトについての希望を聴取して、体制を整えるとのこと。自宅待機を継続したい場合は、その意向を尊重するとしています。

 また、工場の施設や建物については徹底的に洗浄を実施。あわせて手を消毒するステーションを各所に設け、従業員の消毒を励行。従業員は布製の防護カバーを着用し、ソーシャル・ディスタンシングにもとづいた対人間隔を確保します。やむをえず近接して業務にあたる場合は、マスクの着用を義務付けるとしています。

 工場区域だけでなく、会議室や休憩室などでも対人間隔を十分に確保することを義務付けるとともに、温度スキャナーを導入して従業員の体温把握も実施するとしています。

 ボーイングのサウスカロライナ事業所の責任者であり、787プログラム担当副社長のブラッド・ザバック氏は「私たちのチームメイトとその家族、そして私たちが属するコミュニティにおける健康と安全は、私たち共通の優先事項です。私たちの生産再開に向けた取り組みは、個人用保護具が使用可能であり、チームの健康と安全を優先するために必要なすべての条件が整っていることで、初めて可能になりました。また、事業における安定的な供給基盤を確保するべく、必要な措置を講じていきます」とコメントを発表しています。

 ボーイングによると、生産再開に向け、ラインにおける職長にあたるシニアリーダーは4月30日、そしてマネージャーは5月1日に工場で業務を再開し、準備を進めるとのこと。生産ラインは5月3日の第3シフトから再開し、第1・第2シフトの従業員は翌5月4日からラインに復帰する予定だということです。

<出典・引用>
ボーイング ニュースリリース
Image:Boeing

(咲村珠樹)