やむを得ない外出時に、外出先に置いてあるアルコール消毒液はコロナ禍の昨今、見つけたらぜひ使っておきたいもの。どこにいるか分からないウイルスをまとめて始末してくれますが、正しい使い方をしないと効果も半減。ツイッターに投稿された「本当に正しいアルコール消毒液の使い方」に、なるほど納得の声が上がっています。

「アルコール消毒液、ワンプッシュの量多すぎじゃない?

と思う人へ。

これは片手で”小さいアルコールの池”を作って指先を浸し、爪の間までしっかり消毒するためです。
ぜひやってみてください。
看護学部卒業生からのお知らせでした」

https://twitter.com/mihotoke_chan/status/1248904666483535874

 と、正しいアルコール消毒液の使い方を写真と解説を交えてツイッターに投稿したのは、ピン芸人として活動しているするみほとけさん。慶應義塾大学看護医療学部卒とあって、看護の基礎もバッチリなみほとけさんは、自身のツイッターやYouTubeにて正しい消毒液の使い方の解説や、プリーツタイプマスクの裏表や上下を間違えずに装着できる方法など、外出時に覚えておきたい事もツイッターで発信しています。

 実はワンプッシュの量は確実にウイルスを始末するのに必要な量。ここからは正看護師の資格をもつ筆者の知識交えてご紹介。

 まず、アルコールの揮発速度が速いと、ウイルスに対しても確実にエンベロープを破壊しきれません。濃度も同様に大事な要素。アルコール度数が70%程度あればウイルスに対して効果があります。

 スーパーの出入り口や病院など、あらゆるところに置いてあるプッシュ式の消毒液を確実に作用させるには正しい使い方が何より大切。しかし、意外と盲点だったのが指と爪の間の隙間。この部分には皮脂や汚れが溜まりやすく、ウイルスが潜んでいると、指まで消毒してもすぐに増殖して出てきます。

 そこで、みほとけさんが紹介しているこの方法。手をお椀状にしてワンプッシュを手に取ったら、しっかり爪の先に消毒液の液溜まりに浸します。親指小指まで確実に。

 その後、消毒液を反対の手に移し替えて同様に爪の先をしっかり浸し、その後は手のひらから指先、指の股、親指の付け根から手の甲、手首としっかり消毒液を擦り込んでいきます。ここまで丁寧に行う事で、消毒液は最大限の威力を発揮できます。

 消毒液を手のひらに溜めてしっかり爪の間を浸す事で、爪の間に潜んでいるウイルスまで消毒液を行き渡らせる事ができます。また、1プッシュが多いと思う人も多いかもしれませんが、これはウイルスをなるべくしっかりと始末するのに必要な量と乾燥に関わる時間が計算されているのです。アルコールが乾燥するときにウイルスも破壊されるので、多いかな?と思っても確実に1プッシュを正しい方法で手首まで確実に擦り込んでください。

 このみほとけさんのツイートには「爪の間まではさすがに盲点だった」という人も多く、たくさんの反響が。体の一部を掻いたり、何かを触った時に爪の間に汚れはすぐに溜まります。特に爪を長くしていると、その分汚れも多く溜まります。コロナ禍がおさまるまでは、爪を短く切っておいた方がより手の汚れを落としやすくなり、消毒も確実に行えます。ネイルを楽しんでいる人は、この事態が収束するまでは、爪を短くしてからオシャレを楽しんだ方が安全です。

 そして、消毒液を使った後はマスクの口周りは触らないように!せっかく手が消毒できても、マスクの表面に付いているウイルスが再度付着してしまったら消毒の意味がありません。鼻が痒くなっても指でこすらず、腕でこすってその場をしのぐのが良いでしょう。マスクを外す時は、耳のゴム部分を持って外し、マスクの表面に触れないように気を付けてください。

 不特定多数が触る場所への出入りの時にはしっかりと手指の消毒を行い、帰宅したらマスクを消毒するとともにすぐに確実な手洗いを心がけてください。手洗いも、爪の間までしっかり意識する事が大事ですよ。

 この消毒薬の確実な使い方は、医療機関向けを中心に、各種消毒液を製造している健栄製薬からもポスター用に図が出ていますので、医療関係者の方や消毒液を置いている店舗などは、消毒液と同じ場所に「正しい消毒液の使い方」のポスターを掲示しておくといいかもしれませんね。

<記事化協力>
みほとけ@看護学部卒業生さん(@mihotoke_chan)

<ポスター画像提供>
健栄製薬株式会社

(梓川みいな/正看護師)