ロシア宇宙庁とロシア航空宇宙軍は、航法衛星のグロナス-Mを搭載したソユーズ2.1bロケットを2020年3月16日21時28分(モスクワ時間)にプレセツク宇宙基地から打ち上げ、軌道投入に成功したと発表しました。ロシア版のGPSにあたる衛星です。

 グロナス(Glonass)-Mはロシア版GPSの第2世代にあたる人工衛星。アメリカのGPSやEUのガリレオと同じく、複数の衛星(24基)で地球全体をカバーしています。プレセツク宇宙基地でのソユーズ2ロケットの打ち上げは、2020年2月20日の通信衛星メリディアン-M以来。グロナス-Mとしては、2019年12月11日以来のものとなりました。

 グロナス-Mを搭載したソユーズ2.1bロケットは、プレセツク宇宙基地の第43発射施設・第43/4射点から打ち上げられました。ロケットは順調に飛行し、衛星を予定軌道へ投入。打ち上げは成功しました。

 ロシアでは、4月6日に国際宇宙ステーションに向かうソユーズMS-16をバイコヌール宇宙基地から打ち上げ予定。ソユーズMS-16は、ソユーズロケットの最新型であるソユーズ2を使用した、最初の有人宇宙船打ち上げミッション。このシミュレーションも兼ね、ソユーズMS-14がロボット宇宙飛行士Skybot F-850を載せて2019年8月22日に打ち上げられ、無事に帰還しています。

 新型コロナウイルス感染拡大により、ソユーズMS-16の打ち上げに関してはメディア向けの宇宙飛行士記者会見や、打ち上げ取材の予定がキャンセルされています。収束の見込みが立たない新型コロナウイルス感染症の世界的拡大ですが、細心の注意を払っての打ち上げとなります。

<出典・引用>
ロシア宇宙庁(ロスコスモス) ニュースリリース
ロシア国防省 ニュースリリース
Image:ロシア航空宇宙軍/ロスコスモス

(咲村珠樹)