2020年2月12日(現地時間)からグアム島とその周辺空域で、恒例の日米豪共同訓練「コープ・ノース20」が始まりました。航空自衛隊はアメリカ空軍、オーストラリア空軍とともに空対空戦闘や地上攻撃などの技量を磨き、共同作戦能力を高めています。

 コープ・ノースは、インド太平洋地域における航空戦力の戦術技量向上と、同盟国間の共同対処能力を向上させるために実施される毎年恒例の訓練。アメリカ空軍の仮想敵飛行隊(アグレッサー)を相手に空対空戦闘や地上目標への近接航空支援(CAS)訓練などを行います。

 もともとは青森県の三沢基地で始まったコープ・ノース。1999年からより訓練環境の整ったグアム島アンダーセン空軍基地に舞台を移し、2011年からはオーストラリア空軍も参加するようになりました。

 航空自衛隊からは持ち回りで飛行隊が派遣されており、今回は福岡県築城基地の第8航空団(第6飛行隊)からF-2(6機)、沖縄県那覇基地の第9航空団(第304飛行隊)からF-15(8機)が参加。このほか、愛知県小牧基地の第1輸送航空隊(第404飛行隊)からKC-767(1機)、第3輸送航空隊(第403飛行隊)からC-2(1機)、警戒航空隊(第601飛行隊)からE-2C(1機)、航空救難団のU-125A(2機)、そして海上自衛隊第31航空群(第71航空隊)のUS-2(1機)も参加しています。





 ホスト国のアメリカ空軍は、沖縄県嘉手納基地の第18航空団からF-15(第67戦闘飛行隊「ファイティング・コックス(Fighting Cocks)」)、青森県三沢基地の第35戦闘航空団(第14戦闘飛行隊「サムライズ」)からF-16、アメリカ海軍のVAQ-138「イエロー・ジャケッツ(Yellow Jackets)」からEA-18Gがグアムへ進出。オーストラリア空軍からは、ニューサウスウェールズ州ウィリアムズタウン空軍基地の第81航空団(第77飛行隊)からF/A-18A/Bなどが参加しています。




 空対空戦闘訓練で相手方を務めるのは、アラスカ州イールソン空軍基地第354戦闘航空団の第18仮想敵飛行隊「ブルー・フォクセズ(Blue Foxes)」。1月にハワイでの「セントリー・アロハ」に参加したのち、さらに西へと移動してきました。

 第18仮想敵飛行隊のトラヴィス・ウォーデン大尉は「毎年、様々な部隊がここに集まり、互いに学びあいますが、今年はより高度な脅威をシミュレートするように指示されています。コープ・ノースのユニークな点は、アメリカだけでなく、同盟国の航空自衛隊とオーストラリア空軍とも一緒に訓練で学びあえることです」と語ります。また「訓練を通じて我々に求められているのは、戦闘機パイロットが犯しがちなミスに気づかせることなんです」ともコメントしています。

 コープ・ノース20は2月28日まで、グアム島アンダーセン空軍基地と、その周辺の訓練空域で続けられる予定。戦闘訓練だけでなく、捜索救難訓練や患者搬送訓練、航空輸送や物料投下の訓練も実施されています。

<出典・引用>
アメリカ空軍 ニュースリリース
Image:USAF/Commonwealth of Australia

(咲村珠樹)