ロシアの航空機メーカー、ツポレフ(UAC傘下)は2020年2月3日(現地時間)、電子機器等が近代化された改良型のTu-160M爆撃機が、2月2日に初めての飛行試験を実施したと発表しました。ロシア国防省も公式YouTubeチャンネルでその様子を公開しています。

 Tu-160は、NATOコードネーム「ブラックジャック」の名で知られる、旧ソ連時代に開発された超音速戦略爆撃機。アメリカのB-1と同じく可変翼を持つなど、開発目的が似通っていますが、Tu-160の方がひと回りほど大きな機体規模となっています。

 開発されたのは1980年代。そして配備中にソ連が崩壊してしまったため、調達が途中で打ち切られたままになっていましたが、21世紀に入って改良型のTu-160Mとして再生産を開始しています。

 新しいTu-160Mは、テストパイロットのアンリ・ナスキヤン氏の操縦によってカザン飛行場を離陸。最大高度1500mで34分間にわたる飛行を行いました。飛行中、新たに搭載された機器の作動状況などを確認。パイロットによると、機器は問題なく動作したとのことです。

今回、初飛行を実施したTu-160Mは、従来より操縦システムや航法機器、レーダーシステムに対電子戦システムなどが近代化されたもの。ロシアでは従来機をアップデートしたものではない新造機を配備する計画ですが、これがその機体(Tu-160M2)であるかは明らかにされていません。しかし飛行の様子を動画で公開したロシア国防省の発表によると、この機体は2021年から調達が始まる新型としており、Tu-160M2の可能性が高いとみられます。

<出典・引用>
ツポレフ(UAC) ニュースリリース
Image:UAC
動画:ロシア国防省

(咲村珠樹)