カナダ政府は2020年1月24日(現地時間)、カナダ軍の汎用機関銃C6の後継モデル、C6A1を総額9697万カナダドル(約79億9800万円)で3626挺、コルト・カナダから調達すると発表しました。これは2017年7月の発注に続くものです。

 コルト・カナダC6シリーズは、ベルギーFN(ファブリック・ナショナル)MAG汎用機関銃のライセンス生産版。7.62×51mm NATO弾を使用し、ベルト給弾で毎分650~1000発で連射可能。カナダ軍では1976年の採用以来、歩兵の分隊支援火器や車載機関銃、ヘリコプターのドアガンなどに広く用いられています。



 カナダ軍ではC6を現代の要求性能に合致させるべく、性能向上版となる「C6A1」を構想し、メーカーのコルト・カナダに試作させました。それにより完成したC6A1は「FLEX」というサブネームが与えられ、従来の木製に比べNBC兵器使用下での除染が容易な樹脂製のストックが採用されたほか、オプション品が取り付けられる汎用のM1913ピカティニー・レイルを本体上面に装備。拡張性が高められました。

 カナダ政府は第1次分として、1148挺のC6A1を総額3210万カナダドル(約26億4761万円)で2018年9月から2019年6月にかけて調達。今回の追加調達で、残るC6をほぼ置き換えることになります。

 カナダのハルジット・シン・サージャン国防大臣は「この投資はカナダ軍が最新の兵器を装備するに値する存在だと、政府が保証することにほかなりません。この調達で兵士たちに必要なツールを提供し、重要な任務を果たせるようになります。軍が強く、安心な存在であることを約束し、我々政府は近代化された装備品を兵士に提供します」とのコメントを発表しています。

 カナダ軍では新たな汎用装輪装甲車として、2021年を目処にTAPV(Tactical Armoured Patrol Vehicle)と呼ばれる戦術警戒車を開発中です。4輪の軽快な機動性を持つこのTAPVにも、今後C6A1が車載機関銃として装備されることでしょう。

 今回の追加調達分は2020年の後半にも納入が開始され、2023年には3626挺全数の納入が完了する予定です。

<出典・引用>
カナダ政府 ニュースリリース
Image:カナダ国防省

(咲村珠樹)