ヒトにとって「性」の話題は、なかなか正面切って話しづらい話題。相談できない、打ち明け辛い……そんな悩みと性に関する正しい知識を網羅した中学生・高校生向けサイト「セイシル」を、12月18日から株式会社TENGAヘルスケアが公開しています。

 

■ 性の話は「はしたない」?

 3大欲求と言われる「食欲・性欲・睡眠欲」のうち、何故か性欲だけは「恥ずかしい、はしたない、表に出すものではない」という秘め事として扱われてきました。

 古代から江戸時代までの日本は、性に対しても大らかで、子宝祈願として性器をご神体として祭っている神社も全国にあるのですが、時代の変遷とともに、「セクシャルなことは慎み深きするもの」という概念に。

 いつの間にか性に対する概念が変わり、現在ではなかなか自分の性に関することを打ち明けにくい、相談しづらい風潮は今も続いています。最近になってやっと、「生理は女性にとって当然ある、毎月のつらいもの」ということが人前でも気軽に言えるようになっていますが、それ以外の性にまつわる悩みや相談したいのにできない、ピンポイントな悩みは人それぞれが抱えています。

 また、好奇心が旺盛な思春期の時期に、正しい知識より先にAVやネットなどの情報を見てしまうことで、性行為に対する間違った知識やイメージが植え付けられることも。後にそれが、実際に相手ができふれ合うとなった大事な場面で、相手の心や体を傷つけてしまった、といったことも起きています。

■ 大切なことだから正しい知識をみにつけてほしい……という願い

 しかし、TENGAが2018年に行った実態調査では、性教育で「習ったトピックス」と「もっと習うべきトピックス」を聞いたところ、「もっと習うべき」上位3つに「性的暴行・ハラスメント」「性病」「性交の同意」 が挙がっています※。

 現在の性教育では、第二次性徴に伴う体の変化や、精子と卵子の結合による妊娠のメカニズムといった基礎的なことが中心となっていますが、本能的な欲求に対しての処理方法、間違った性への認識、性交にはどのようなメリットやデメリットの他に、どのような感染症があるか、そこまで事細かに授業で教えることがないのが現状のようです。

 そこで今回立ち上げられた「セイシル」では、思春期に入り第二次性徴を迎え、心も体も大人に移りゆく中高生に向けて、幅広い性の知識や自分らしい生き方を見つけるためのヒントを提供。若者の悩みを募集し、泌尿器科医や産婦人科医などの専門家たちが、それぞれの立場から相談に答えています。

 「セイシル」で扱われている内容は、「恋愛・セックス」「男性のからだ」「女性のからだ」「避妊」「性感染症」「多様な性」「マスターベーション」など、中高生から寄せられるあらゆる性の疑問や悩み(性のモヤモヤ)を10個のカテゴリーに分類。それぞれの性のモヤモヤに対し、産婦人科医や泌尿器科医、臨床心理士、LGBT啓発団体の代表など計29人がそれぞれの立場から回答しています。

 なお、「セイシル」(https://seicil.com/)は、サイトオープン後も閲覧者からの投稿を募集し、反映させながら充実させていく予定だそうです。

TENGA 2018年マスターベーション世界調査
情報提供:株式会社TENGAヘルスケア