クリスマスシーズン、コンビニでもスーパーでもあちこちでケーキの予約や販売を見かけます。最近のケーキは定番物はもちろん、キャラ物からちょっと面白いものまで色々。ですが、「さすがにその発想はなかった」というケーキがツイッターで大注目されています。

 小麦粘土などを使った独創的な作品や、アニメーション映像を手掛けているしばたたかひろさん。これまでにも、「本当に齧ったんじゃないかと思うようなチョコパイ」を小麦粘土で再現し、その再現度の高さに圧倒される人が続出するなど、びっくりする作品を作っています。

 最近は料理にも凝るようになってきたようで、食事をお皿に盛らずに試食用の小皿などに盛り付けて、試食食べ放題風味の食事会の風景が話題にもなりました。

 そして今回手掛けたのは、ケーキ。クリスマスと言えばケーキやチキンなどのごちそう、っていうイメージですもんね。しかししばたさんがツイッターに投稿したのは……。

 「緑と黄色のスポンジケーキを焼いて重ねてみたら、想像以上のスポンジできた」。長方形の黄色いスポンジの上には、ちょっとだけの厚みを感じさせる濃い緑色のスポンジ。そこには白い八部立てくらいのクリームがとろり。

 ……これがお皿ではなく、シンクの中にあったら誰もケーキとは思わないで鍋磨きに使っていたことでしょう。そう、スポンジはスポンジでも、洗い物用のスポンジ風のスポンジケーキがお皿に載っていたのです(ややこしい)。

 これを見た人たちからは、「クリームがクレンザーか何かの洗剤に見えてきた…」から、学校での大掃除にありがちな「ちょっと男子ぃ、クレンザー付けすぎよぉ」と女子が文句言うところまでが脳内再現余裕だったり、「緑部分のヨレ感が本物っぽさを増してる」「画像を原寸拡大しても脳が食べ物と認識してくれない」と、食べられるものを作っているはずなのに、見た目が食べる方のスポンジと直結しない人が続出。

 確かにこれは、スポンジ違い!!ケーキのスポンジの発色、洗い物用と全く遜色ないのですからそりゃしょうがないというものです。

 どうしてこうなった……筆者はその憤まんやる方ない疑問を解決すべく、しばたさんに真相を聞いてみることに。返ってきた答えは……「クリスマスシーズン、外出先で様々なデコレーションケーキを見る機会が増えた事がきっかけです。僕ならどんなケーキが作れるだろうか?と考え制作に至りました」まさかのクリスマスケーキからの着想。

 しかも、総制作時間は、試行錯誤があったため2日がかりだったとのこと。洗い物用スポンジの質感と色の再現は確かに難易度が高い気がします。お皿などを洗う方の黄色い面も、きめを細かく黄色い色をきれいに出すのに苦労していそうです。

 しばたさんのこれまでの作品を見てきた人たちなら納得の回答となるでしょう。筆者も「あー、納得。全部把握した」とつい思ってしまったのですが……。よくよく考えたらかなりトリッキーなのでは。実際にご対面して、その味をつい確かめたくなる、筆者なのでした……。

<記事化協力>
しばたたかひろ | Takahiro SHIBATAさん(@iine_piroshiki)

(梓川みいな)